子どもの自由工作で悩む母から「神」と感謝された発明家 ロボットアーム公開に「巨神兵の手みたい」
吉藤オリィさんはロボットの発明家。「子どもの夏休みの自由工作に悩んでいたので神」とお母さん方から感謝されたと、SNS上に身近にあるもので作れる「ペーパークラフトロボットアーム」の動画を公開しました。
このツイートには、「すごい!すばらしいです」、「これかっこいいですね!ナウシカの巨神兵の手みたいです!!」、「巨人の手カッコいいー」という賞賛のリプライがよせられました。
なかには、「昨日はとても楽しかったです。我が家、段ボールで作った息子の作品が山積みになっていることに対しての迷いがあったのですが、むしろこれでいいとわかりました。いきいきとした顔でモノづくりする様子をこれからも見守っていきます」という、実際にロボットを作ってみた人の声も。
なぜ身近にあるものでロボットを作るといいのかオリィさんに話を聞きました。
■子どもの頃から折り紙が好きだった
--幼少期から算数や数学が得意だったのですか。
「私は幼い頃から折り紙を折るのが好きでした。『男子なのに折り紙が好きなんだ』とからかわれたこともあります。成長するにつれだんだん学校になじめなくなり、小学校5年生から中学校2年まで不登校になりました。でも、折り紙が大好きで、折り続けたのです」
--折り紙がきっけかでロボットの発明家になったのですか。
「ある日、母から『折り紙ができるならロボットが作れるよね!コンテストに応募しておいたよ』と言われたのですが、なんと、そのコンテストで優勝したのです。それがきっかけでロボットの発明家になりました。折り紙がきっかけなので、オリィという名前なのです」
■たくさん失敗してセンスを磨く
--子供たちには身近にあるものでロボットを作ってほしいのですか。
「金属やプラスチックなど高価な材料を使って長い時間をかけて作ったものは、作ったあと失敗だと気づいてもすぐに切り替えられず、そのやり方にこだわり続けてしまいます。ダンボールや発泡スチロールなど身近にあるもので作ったものは、お金もかからず短時間で作れるので、うまくいかない事がわかっても、なぜ失敗したのか学習し、すぐに次のチャレンジを何度もできるのです。私が運営する分身ロボットカフェに親子で来た人から、『数学の勉強をさせたほうがいいのでしょうか』と尋ねられるのですが、まずは身近にあるものでどんどんものづくりをして、失敗を重ねることで学習、成長することができるのです。数学はあくまでもツールですが、先に失敗と経験を積み重ねることで、数学も理解しやすくなります」
◆吉藤オリィ 株式会社オリィ研究所 代表取締役所長。小学校5年から中学校2年まで不登校を経験。工業高校にて電動車椅子の新機構の開発で、国内の科学技術フェアJSECにて文部科学大臣賞、世界最大の科学大会ISEFにてGrand Award 3rdを受賞。「人間の孤独を解消する」ことをミッションとし、早稲田大学在学中に分身ロボットOriHimeを開発しオリィ研究所を設立。代表作として分身ロボット「OriHime NIN_NIN」、視線入力PC「OriHime eye」、車椅子アプリ「WheeLog!」、 視線入力車椅子、分身ロボットカフェ など。米Forbesが選ぶアジアを代表する青年30名「30 under 30 」、Google impact challengeグランプリ等、国内外で受賞多数。書籍「孤独は消せる」「サイボーグ時代」「ミライの武器」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)