ありそうでなかった「缶入りカレー飲料」…開発に2年以上かけた“逸品”、本当においしいの?実際に飲んでみた
自動販売機などで販売される缶飲料の中には、コーンスープ、オニオンスープ、味噌汁などのいわゆる「ホット缶スープ」と呼ばれる商品があります。この「ホット缶スープ」でトップシェアを誇るというポッカサッポロが、この度ありそうでなかった「缶入りカレー飲料」を発売しました。その名も「カレーな気分」(店頭小売価格140円・自動販売機価格150円)というものです。
「缶入りカレー飲料」と聞くと、「飲むカレー」とも思えますが、果たしてそのお味はどんなものなのでしょうか。さっそく取り寄せ試飲してみることにしました。
■カレースープではあるが、カテゴリーとしては清涼飲料水!?
わかりやすくかわいらしいグラフィックの「カレーな気分」ですが、その缶はスープやコーヒー飲料に使われる170gのスチールボトル缶に入っています。
温めて飲むものですので、口にした際などにふと「アチッ」となっても周囲飛び散らないよう飲み口が広いのが特徴です。また、キャップ式の開け閉め式を採用しており、開栓したらすぐさま飲みきらないとダメというわけではないのも好感触。
ところで、パッケージの裏面を見ると、名称は「カレースープ(清涼飲料水)」とありました。カテゴリーとしては清涼飲料水になることが正直意外にも思った筆者でした。
■ご飯のおかずとしてもイケそうなインパクト十分のカレースープ
調べたところ、「カレー缶飲料」は今回の「カレーな気分」が元祖というわけではなく、過去に複数社から開発・販売されたことがあったようです。しかし、いずれも継続的な販売に至らず、廃盤になるものばかりだったようです。
このため、「カレーな気分」によって初めて目にする人も多いであろう「カレー缶飲料」ですが、もちろん筆者もそのうちの1人です。果たしてどんな味なのでしょうか。さっそく試飲してみます。
「カレーな気分」の飲料としての色を確認するため、まずお皿に出してみました。見た目はカレーそのものの薄い茶色ですが、いわゆるカレーと違うのは、その粘度。カレー目線から見れば極めてアッサリしていますが、一方、ドリンク目線で見れば程よいとろみがあり、このとろみによって、カレーの風合いをより強く味合わせてくれるものだと思いました。
実際に一口飲んでみると、カレー特有の甘味、酸味、苦味が口の中に広がります。辛味として中辛ですが、10種類も使われているというスパイスの融合だけでなく、ボディとなる出汁のインパクトも強いです。忘れられない、そして病みつきになるような味でした。「カレーな気分」そのものがご飯のおかずとしてもいただけそうなくらいの旨さです。
■2年以上の歳月をかけて丁寧に作られた商品
なかなか旨い「カレーな気分」ですが、ポッカサッポロの担当者の方によると、この開発までの道のりは容易いものではなかったようです。
「『カレー』という商品の性格上、どうしても匂い、香り、色などが強く製造する際のハードルが高いんですね。他社さんが『缶入りのカレー飲料』をやめた経緯はわからないですが、こういった製造上の問題があったかもしれません。そんな中、弊社ではトライ・アンド・エラーを繰り返しながら2年以上の歳月をかけて『カレーな気分』の発売に至りました。
ホットスープ缶市場で弊社はトップシェアであるという自負があるとともに、お客さまのニーズにどこまでもお応えしたいと考えています。そのことで市場を広げることもできそうですし、ですので当社ではどれだけ時間がかかっても『カレーな気分』の開発を諦めることはありませんでした」(ポッカサッポロ担当者)
相当な研究開発を経て、満を侍して今回のリリースに至ったのが今回の「カレーな気分」のようです。最後にどういったシーンで飲むべきなのかも聞いてみました。
「『缶入りコーンスープ』などは、小腹が空いたときなどに飲んでいただくイメージですよね。でも、『カレーな気分』は昼ご飯や忙しい時間の合間などでおにぎりを食べたり、パンを食べる際に合わせて飲む『汁物』の位置づけで楽しんでいただければと思っています。食事と一緒に飲んでいただくことで、『カレーな気分』の美味しさ、便利さをより強く感じていただけるのではないかと思っています」(ポッカサッポロ担当者)
実際に試飲してもかなり旨いし、ポッカサッポロの担当者の方の話からも相応の自信のもとでリリースされた商品であることがわかりました。この「カレーな気分」の売れ行き、浸透次第で日本のホット缶スープ市場の歴史が変わる可能性も秘めています。ぜひ一度実際に飲んでみてください。結構病みつきになる味ですよ!
(まいどなニュース特約・松田 義人)