生後間もない子猫4匹が一命を取りとめた! ごみ袋の口を固く結んで捨てた人間の残酷さ…「怒りを感じる」

高知市内のごみステーションで生後間もない子猫4匹がビニール袋に入れられて捨てられていたことが分かりました。

8月下旬のこと。たまたま通り掛かった人が子猫のかすかな鳴き声に気付きました。口を固く結ばれたビニール袋に四角いプラスチック容器に入った状態で、他のごみ袋と一緒に置かれていたといいます。この日は、プラスチックのごみ収集日。子猫たちを見つけた人は動物愛護団体のNPO法人や警察に届けたそうです。

連絡を受けたNPO法人「アニマルサポート高知家」(以下、アニサポ)代表の吉本由美さんは「子猫たちが捨てられていた日は、雨が降っていました。ビニール袋の隙間から雨が入り込んでいたようで、身体は濡れていたそうです。警察に連れて行かれた際に、子猫たちの身体を温めてくれたので、何とか一命は取り留めました。かすかな鳴き声だったそうで…もしそのまま気付かず通り過ぎていたら他のごみと一緒に収集されていたと思います。それに、ビニール袋の口を固く結んで捨てた人間の残酷さに怒りを感じました」と話します。

■ごみステーションから鳴き声が…通行人からNPO法人や警察に連絡

子猫が発見されたのは、8月下旬の午前。通り掛かった人がアニサポに「子猫が捨ててあった」と連絡。すぐに警察にも通報し、現場検証などが行われたとのこと。子猫たちは警察に連れて行かれました。

「アニサポにも警察から連絡が来まして、犬猫を収容する『小動物管理センター』に持って行くと伺ったので、急いでスタッフが子猫を引き取りに向かいました。到着するまでの間、濡れた身体の子猫たちを『温めておいてください』と伝えたところ、ペットボトルにお湯を入れタオルで巻いて温めてくださって。低体温症にならず、何とか生きていて良かったです。警察の方にも外で動物を保護された際に身体を温めるなどの知識を持っていただくとありがたいです」と吉本さん。

さらに「子猫を引き取ったスタッフにはそのまま動物病院に足を運んでもらって受診。猫風邪を引いていたようですが、特に目立って悪いところはありませんでした。あのまま管理センターに収容されたら、目も開いていない子猫はすぐに殺処分になるところでした…」と振り返ります。

現在、子猫たちはミルクボランティアさんがお世話をしているそうです。

   ◇   ◇

■NPO法人に今年春から相談が増加 「子猫が生まれて面倒が見られない」「飼えなくなった」

昨年から続くコロナ禍による自粛生活で、ペットとして犬や猫などを新たに飼う人が増えています。一方で、実際に飼い始めてから「お世話が思ったより大変」とペットを安易に捨てる人も増えており、アニサポにも「飼えなくなった」「子猫が生まれたが、これ以上お世話ができない」などとペットに関する相談がたくさん寄せられているといいます。

「今年春ごろから、120件を超える電話相談をいただいております。高齢者の多頭飼育をはじめ、子猫が生まれてこれ以上面倒が見られないからどうにかしてほしい、猫を拾ったけれど飼えないから保護してほしいなど、私たち団体だけで全てを受け入れることはできません。

高知市内でも今回のように子猫が捨てられているケースが相次いでおり、子猫が生まれてどうしたらいいのか分からず捨ててしまう人もいるかと思います。県や市など行政側にもペットを飼えなくなった人や動物の遺棄を見つけた人たちが相談できるような窓口を設けていただいて、保護できる団体につなげられるような仕組みを作ってもらいたいです」(吉本さん)

動物の遺棄は犯罪です。昨年6月に施行された改正動物愛護法により、飼い主がペットを捨てた場合、これまで100万円以下の罰金刑だけでしたが、1年以下の懲役刑が加わり、厳罰化されました。ペットは“物”ではありません。ペットを飼う際は、慎重にご検討ください。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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