母犬を交通事故で亡くした、ちょっとコワモテな子犬 2度のトライアル失敗を越え、4歳男児のステキな相棒に
■母犬を交通事故で亡くした子犬
右京くん(8歳・オス)は、野犬の子犬だった。母犬は車にひかれてなくなってしまったそうで、右京くんを含む6匹の乳飲み子が路上に取り残されていたという。子犬たちは保護活動をしていた人に保護された。
その後、右京くんは2度トライアルに行ったが、家庭の事情などで保護主のもとへ返された。3度目の正直、今度こそと里親募集をして、東京都に住むまよさんが迎えることになったという。
■初孫の親友を探す
まよさんの隣家にまよさんのお母さんは、BBちゃんという先住犬を飼っていた。BBちゃんは2009年12月生まれ。まよさんのお母さんは、2010年にBBちゃんを迎えてから、BBちゃんと仲良くできそうな犬を飼いたいと思っていたが、なかなか出会いがなく。そうこうしているうちに7年経ってしまった。
「2017年1月に私が出産し息子が生まれたのですが、母にとっては初孫で、いわゆる初孫フィーバー状態に。『優しい犬に囲まれて生活させたい』と母は意気込んでいました。そんなときにインターネットの譲渡サイトで母が見たのが右京だったんです。保護主さんのお宅にも小さなお嬢さんがいて、お嬢さんと右京が本当に仲良く過ごしている様子が保護主さんのブログで掲載されていて、母は『右京しかいない!』と思ったようです」
2017年6月、お母さんは、千葉県まで右京くんを見に行った。ブログで見た通り、体は大きいし顔もかなりごつく、こわもてだったが、とても大人しく優しい印象を受けたようだった。
「母がすごく気に入って正式に里親に立候補し、翌月7月に右京は我が家に来ました」
■こわもてだけどおおらか
右京くんは、先住犬のBBちゃんとも初日から上手に散歩し、あっという間に大親友になった。まよさんの家の猫たちも、最初は右京くんの大きさにビビっていたが、「いいやつ」とわかってからはあっという間に馴染んだという。名前は保護主が付けた名前をそのままにした。
右京くんは、いい意味でも悪い意味でも常に動じない性格で、ひょうひょうと毎日過ごしていた。非常に柔和で平和主義者。人にも動物(犬にも猫にも)にもおおらかに接する。「猫のトマスやロビンに顔を叩かれたりしても、一切やり返すことなく、きょとんとしています。ぼーっとしているようにも見えますが、食べ物の盗み食いのスピードは尋常ではありません(笑)物を投げると上手にくわえてもってきますし、顔に似合わず芸達者でもあります」
先住犬のBBちゃんのよき友達で、今4歳になった息子さんの一番のお気に入りの右京くん。あっという間に、まよさん家にかかせない存在になった。
「何度も里子に出た右京を、いつか終の家族が見つかるようにと、深い愛情をもってお世話してくださった保護主さんにはとても感謝しています。そんなバックグラウンドを持つ右京をわたしたちが必ず幸せにしたいと思います」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)