「人間は焼肉で癒えないほどの痛みを抱えるべきではない」 鼓舞それとも諦観 格言の考案者に聞いた
「人間は焼肉で癒えないほどの痛みを抱えるべきではない」
焼肉にまつわる格言がSNS上で大きな注目を集めている。
「#大人になってわかったこと選手権」というハッシュタグを添えてこの格言を紹介したのは、パティシエ起業家で株式会社Bross代表、kashinoki coffeeオーナーのおーきさん(@okidoki_s)。
大人になってももっと気軽にいこうぜという鼓舞なのか、はたまた大人は焼肉で強引に幸せパワーを補給してでも日々の責務を果たし続けなければいけないという諦観か。この格言に対し、SNSユーザー達からは
「めちゃくちゃきれいな字でときめいたけどチラシの裏なのが気になった😂」
「焼き肉で癒えるかもしれないが、焼き肉を食べる金も時間も…… ´ `」
「痛みも悪くねぇと 自己陶酔すれば
痛みを肴に酒も呑める…😭
本音 (もう無理~お肉ー うまぴょい🐦うま(ry」
など数々のコメントが寄せられている。
おーきさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):おーきさまにとって焼肉とはどのような存在なのでしょうか?
おーき:本能的に食べるという生命活動の中で、最もシンプルに力を作る源なのかなと思ってます。ただ、今も昔も肉を食べるには身体が強くないと狩りができなかったり、稼ぎがないと買えなかったりで大変なので、木の実や穀物とは違った特別価値の高いものだと思っています。
中将:焼肉で癒えないほどの痛みを抱えてしまったことはあるのでしょうか?
おーき:あります。僕自身は普段から美味しいものを作ることを仕事にしていますが、その道の中で大きな壁を目の当たりにしたときには自分の人生すら呪いました。しばらく食事はできませんでしたが、時間が経ってから人に連れ出してもらって肉を食べた時はとても幸せでした。
中将:うっすら表の印刷が透けていますが、これはなんの紙に書かれたものでしょうか?
おーき:実は誕生日に食べた焼肉屋のメニューの裏に書いてあったものなんです。もともと「書きちらし(@kakichirashi)」さんという方が書いたもののようです。
中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
おーき:普段は飲食業界に新たな風を吹かせるべく活動をしているのですが、全く違う分野で多くの共感を呼んだことに驚いています。
このコロナ禍で生活に縛りがあり、不安やフラストレーションが溜まっているのは間違いなく、食とコミュニケーションがそれぞれ今までとは違う形になりつつある中、「肉」「精神」というようなわかりやすい言葉で情勢を捉えられたことが多くの反響を生んだんだと思いました。
◇ ◇
10月からは多くの地域で緊急事態宣言が解除される見込みだという。読者の皆さんも久しぶりに焼肉でも食べてコロナ禍の憂さや痛みを吹き飛ばしにいかれてはいかがだろうか。ただし、感染対策はお忘れないよう。
「kashinoki coffee」
スペシャルティコーヒーとトップパティシエによるスイーツ店
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)