コンビニ会計で手間取る2人連れ コワモテ客の一言にしびれた 「ちゃんと見守れる人。俺の地元最高!」

 福祉関係の仕事に従事する小山(おやま)けんいちさん(@kenny_gby)は先日、千葉県内にあるファミリーマートで会計の列に並んでいました。先頭の2人連れが会計に手間取っているようです。1人は障害があり、もう1人は付き添いのヘルパーさんでした。

 時間がかかっていた理由は、小さな小銭入れから硬貨を1枚1枚取り出していたから。

 「あれっ、なんかレジ遅くない?」。列に並ぶ人の間からイライラとした空気が漂い始めると、ヘルパーさんと店員さんは明らかに焦り始めました。そしてついに列の後方から1人の男性が口を開いたのですーー。

 小山さんはこの時のことを自身のTwitterに次のように投稿しました。

 「後ろからややコワモテ風のおっちゃんが声かけて、『遅い!』とか言うのかなと思ってヒヤヒヤしてたらおっちゃんは『もう一個トレイ出して』と言って、『小銭さ、出しにくいんだよ。広げて分けたら出しやすいでしょ』とヘルパーさんにアドバイス(?)してて、なんと言うか、こんな風にちゃんと見守れる人や場所ってすごいなと。店員さんも嫌な顔一つしてなかったし。俺の地元最高だな!」

 店員さんは「おっちゃん」の言葉に「えっ」と驚きながらも小銭の受け渡し用トレイを差し出しました。トレイの上に小銭入れの中身を広げると、どんな硬貨を持っているのかひと目で分かる状態になったそうです。

■「柔軟な発想が素敵」「世の中捨てたもんじゃない」

 小山さんの投稿には2万件近い「いいね」がつき、ユーザーからは「こんな優しい人がいてうれしい」「柔軟な発想が素敵」「思いつかなかった」「世の中捨てたもんじゃない」などの声が寄せられました。

 また、小売店のレジ担当者からは「トレーを差し出すことありますよ」「まわりの人に分かってもらうために大きな声で『お手伝いしましょうか』とアピールしています」。ヘルパーさん側からは「焦る気持ち分かります。私も付き添っていていつも焦っています」「新たな気付きをありがとうございます」などの反応がありました。

 職業柄、福祉の知識のある小山さん自身、「おっちゃん」の機転には驚いたといいます。

 「ヘルパーさんもいるのに横から割って入り、声をかけることはなかなかできません。イライラするか、『早く終わらないかな』と黙って待つ人の方が多いと思います。でもおっちゃんのそうでない行動にすごいなと感心しました」

■「おっちゃんはプロの支援員だったのでは」

 「おっちゃんの行動は最適解でした」と何度も口にする小山さん。「もしかしたらプロの支援員だったのでは」と分析します。

 「『キャッシュレスにすれば』『小銭が投入できるセルフレジを使えば』という意見もありましたが、省くことが支援ではないと思います。お金の力や払う経験が学べなくなります。おっちゃんの行動は買い物の価値を分かった上でのサポートでした。代わりにやってあげるのではなく、『こうすれば払いやすいでしょ』と工夫を示して、お金を払う経験や本人の自立を支援していました」

 「おっちゃん」は50代後半でサンダルにハーフパンツ姿というラフな服装。髪型もバリカンでさっぱり仕上げたような短髪で「流行のファッションを好むような人ではなかったです」。小山さんは惚れ惚れした様子で振り返りました。

 「おっちゃんは威厳があって、石原軍団にいそうなかっこよさがありました」(小山さん)

(まいどなニュース・金井 かおる)

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