スーパーに迷い込んできた衰弱した子猫 預かりボランティアの手厚い看護で回復→里親のもとへ
■スーパーに迷い込んできた子猫
ニカちゃん(生後3カ月・オス)は、千葉県内のスーパーに迷い込んできたところを警備員に捕獲された。当時まだ生後1カ月にも満たないような小さな子猫だった。
たまたまそのスーパーに商用で訪れていた結叶(いと)さんが事務所にいると、警備員がニカちゃんを連れてきた。店長に相談するも、店内にはペットショップがあり、食料品も販売しているので途方に暮れているようだった。
その様子を見ていた結叶さんが「私の妻が猫の保護活動をしているので引き取りましょうか」と申し出たという。
■歩くのもおぼつかないほど衰弱
結叶さんが仕事をしている間、ニカちゃんはダンボールの中で大人しくしていた。どうやら弱っているようだった。
あいにく結叶さんの妻はその時は手一杯だったので、ボランティア仲間の松田さんにニカちゃんを託した。
「ニカは弱々しく、歩くこともできなくて、とても心配な子でした。お腹にコクシジウムという寄生虫がいたのですが、小さな身体で虫や爬虫類を食べ、汚れた水を飲んで必死で生きてきたのでしょう。とにかく最初は体調を戻すことから始めました」
ニカちゃんという名前は、漫画に出てくる太陽の神ニカにちなんでいるという。
■もりもり食べて元気に
ニカちゃんは人に飼われたことがあるのか、初めて会った時から甘えん坊で、ゴロゴロスリスリしてくるとても可愛らしい子だった。ただ、ガリガリにやせていて、2、3歩歩くのもやっとというくらい弱っていた。
それから2週間は、寄生虫との戦いだった。夜中は2、3時間おきに下痢をするので、シートを全て交換して周囲を消毒。ニカちゃんのお尻も毎回洗っていた。洗いすぎてお尻の皮膚は真っ赤になったほどだ。
しかし、幸いニカちゃんには食欲旺盛だったので、しっかり食べて日に日に元気になっていった。2週間後には治療が完了し、里親を募集。たくさんの応募者の中から里親が決まり、幸せをつかんだという。
結叶さんは、今でもスーパーのスタッフたちに「あの猫ちゃんどうなった?」と聞かれるので、近況報告を欠かさない。ニカちゃんの一件で関係性が深まり、いい仕事ができているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)