「9時17時の仕事ばかりじゃないんですよ」…普通に食事できる店の規制解除を求める声が切実
コロナ禍による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で営業時間に大きな規制を受ける飲食店。そんな中、SNS上では"普通に食事できる店"の規制解除を求める声が大きな注目を集めている。
きっかけになったのは同人サークル「ルート・ヴィーナス」に所属するあいのさん(@platypus_icoyan)の「緊急事態宣言終了で酒類提供解除か否かみたいな話題が多いですけど、それよりも『普通に食事できる店』の規制解除をお願いしたい。いきなり酒OKかどうか以前に、感染リスクの低い一人飯中心の牛丼屋とか立ち食いそばとか、そういう店を復活させてほしいです。9時17時の仕事ばかりじゃないんですよ。」という投稿。
このところ飲食店というと酒類提供の有無ばかりが論点になりがちだが、飲食店はなにも酒類ばかりを目当てに行くものではない。夜遅くまで、もしくは朝早くまで働いた後、牛丼屋や立ち食いそば店などで食事を摂る事が日常生活の一部になっていたという人は多いだろう。ルート・ヴィーナスさんの指摘に対し、SNSユーザー達からは
「19時半に仕事終えたら外食難民、は本当に困る。立ち食いそばのシャッターが見えた時は本気で『なんで?』て声出たな。こういうこと書くと『料理できないのが悪い』みたいなこと言われがちだけど、そういう問題じゃない。料理なら作れる。規制対象が意味不明だって話。」
「ホントにそれ。定時が19時だから職場出て駅に戻るときにはどこもラストオーダー終わっててトボトボ帰る今日この頃です。」
「本当にこれ夜中の牛丼屋とかファミレスとか昼間より人少ないのに…」
「本当にこれだと思う。飲酒・時間に関係なく騒ぐ人は騒ぐし、そういう人の目的は『食事』ではなく『交流(≒感染リスク)』なんだと思うけど、そういう人が対象ではない個人向けの店舗は規制しなくても良くない?少人数でただ『食事』をする場所を取り戻してほしい。」
など数々の共感のコメントが寄せられている。
あいのさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):昨今の緊急事態宣言で、居酒屋、レストランのみならずファストフード店など感染リスクが少ない飲食店までいっせいに営業時間の規制をうけました。このような行政の指導について、あらためてご意見をお聞かせください。
あいの:私の身近にも新型コロナに感染した人がいますし、感染対策が重要であることは理解できます。ただ、キャバクラも居酒屋もファストフードもなんでも一律規制を加えるというのは、科学的根拠が乏しいと言わざるを得ません。私は仕事の都合上テレワークはできずすっと電車通勤していますが、駅前や駅のコンコースなどで飲食をしている人を良く見かけます。酒を飲んでる人もいますが、ただおにぎりやパンを頬張っているサラリーマンも見受けられます。マスコミも飲酒の可否ばかり話題にしていますが、普通に食事ができない人のことをもっと報じてほしいし、国や分科会も業態に応じた緩和を考えてほしかったです。
中将:営業時間の規制でご自身の生活にはどのような影響があったでしょうか?
あいの:私は仕事が終わるのが19時半~20時で、その時間だとラストオーダーが終わってます。「自炊すればいいだろ」という意見も頂くのですが、通勤が片道2時間かかり、帰宅するころには深夜になってしまいます。結局、帰宅途中にコンビニでパンを買って駅のベンチで食べるみたいなことが多くなりました。
中将:ちゃんと食事が摂れないことによるストレスは大きいですよね…。これまでのSNSの反響についてご感想をお聞かせください
ルート・ヴィーナス:リツイートが1000を超えるとたいてい反論とか揚げ足取りみたいのが増えてくるのですが、今回は賛同を多くいただきました。みんな似たようなことを考えていたんだと思います。こうした声が政府や分科会に届くといいなと思ってます。
10月1日に緊急事態宣言が解除されたが、それでも首都圏や関西圏の飲食店では5時から21時までを中心とした一律の営業時間規制が続く。国民一人一人に寄り添った政治というものはつくづく実現しにくいものだと思い知らされるばかりだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)