植え込みで「みゃお~ん」と鳴いていた子猫を保護 威嚇していたが、お風呂に入れると諦念し家族に
■「みゃお~んみゃお~ん」と鳴いていた子猫
みゃおちゃん(1歳・オス)は、2020年4月17日、植え込みの中で鳴いていた。兵庫県に住む安田さんの夫が、仕事帰りに家の近くの植え込みの中から、「みゃお~んみゃお~ん」という子猫の鳴き声に気づき、一人ぼっちで鳴いているみゃおちゃんを発見したという。
「子猫がいるよ」、と夫から連絡があったので、安田さんも様子を見に行った。
「本当に小さくて、植木の中で困ったようにみゃお~んと鳴いていました。それまで猫を飼った経験も保護をしたこともなく、どうすればいいのか分からなかったので、この時は一旦何もせずに家に帰りました」
安田さんは、晩ご飯を食べながらも子猫のことが気になった。翌日の天気が悪いことも手伝って、夫と話してもう一度子猫の様子を見に行くことにした。
「もしまだいたら保護しようと思い、段ボールを持っていきました。最初に発見した場所にはおらず、あたりを探していると、中央分離帯の方からあの『みゃお~ん』という鳴き声が聞こえました」
幸いそこまで車通りの多い場所ではなかったので、見つけられたが、捕まえようとすると逃げ回るので、捕獲に手間取った。
■全力で威嚇する子猫
猫を保護するのは初めてだったが、子猫だったので簡単に捕まえられると思った。しかし、いざ保護しようとすると逃げ回って、威嚇してきた。
「とてもショックでした。うちに連れて帰ってからも手を近づけようとするだけで『シャー!』。小さな身体でしたが、精一杯威嚇してきたので、本当に保護してよかったんだろうかと思いました」
みゃおちゃんはお腹が空いていたのか、威嚇しながらもコンビニで買った猫缶はガツガツ食べた。
■接着剤まみれだった
安田さんは、もともと猫が好きで、いつか縁があれば一緒に暮らしたいと思っていた。しかし、なんの準備もないままの出会いだったので、当初は里親が見つかるまで面倒をみようと考えた。翌日も威嚇は続いていたが、汚れていたので少し強引にお風呂に入れたところ、シャーはなくなりピタッとおとなしくなった。
「保護した時に手足やお腹のあたりが泥で汚れていると思っていたのですが、動物病院に連れて行くと接着剤がついていると言われました。どうやらネズミ捕りの罠に引っかかって、接着剤がべっとりついてしまったようでした」
動物病院でそのまま小麦粉をまぶされて、一部バリカンで毛を剃って処置してもらった。「お腹の半分ほどの毛がごっそりなくなったのを見て、『これはお嫁にいけないかもしれない(オスですが)』と思い、そのままうちで引き取ることにしたのです」
「みゃお~ん」と鳴いていたので、名前は「みゃお」にした。
■ステイホームも苦にならず
動物病院で、バリカンで毛を剃ってもらったが、残り半分くらいは安田さんがしなければならなかった。
「うちで小麦粉をまぶして粉だらけになっている写真があるのですが、その時のみゃおの顔が全てを諦めたかのような表情で今見ても笑ってしまいます(笑)」
保護から4日ほど経ったころ、みゃおちゃんは夫の腕の中で初めてゴロゴロと喉を鳴らした。
性格はビビリで、家族以外の人を怖がる。遊ぶのが大好きでよく喋るという。大好物はチュール。「チュール食べる~?」と聞くと、元気に返事をする。
いまでは、みゃおちゃん中心の生活になり、会話の中心もみゃおちゃんなのだという。
「自粛生活が続き、なかなか外へ遊びにいけないのですが、うちに猫がいるとなんの苦にもなりません」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)