「震度6以上だったらそのグッズは凶器になるからな!」 家具の設置方法見直す呼びかけが話題に
10月7日に東京都など関東地方を襲った震度5の地震。東日本大震災から約10年…久しぶりに関東地方を襲った本格的な揺れをともなう地震は多くの人に大きなインパクトを与えたようだ。
そんな中、SNS上では地震を想定して家具などの設置方法を見直そうという話題が大きな注目を集めている。
きっかけになったのは元宮城県民というマナツさん(@romareitaru)の
「これは今の揺れで何一つ倒れなかった関東在住の元宮城県民からのアドバイスだけど、このくらいの横揺れでなにかしら物が倒れてる人はマジで家具やグッズの置き方考え直した方がいいぞ!!震度6以上だったらそのグッズは凶器になるからな!!明日以降に直そうな!!!」
という投稿。
たしかに震度5でも十分揺れは大きいが、地震国日本ではそれ以上の震度の地震が起こることも十分にありうる。特に東日本大震災など甚大な地震を体験した人には、小さな油断も致命傷になるという辛い記憶があると思う。マナツさんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「私も一昨日の地震で何一つ倒れず、良し。となりました。
が、危ないなと思っていた棚を、4日前に低くした矢先の地震でした。
油断は大敵ですね、気をつけましょう。
お大事になさって下さい。」
「東日本の時は、積み重ね式の棚は上の方が倒れてきました。
固定してあった家具は大丈夫でした。
あと、4月の余震の時、友人宅では台所のレンジがビューッと飛び出し隣の部屋まで飛んでいったそう。
震度5強では家具等あまり被害はないでしょうが、安全確認での電車運休は大変ですね。お気をつけて。」
「ほんそれ…
あとお部屋に水槽ある人は
水びたしで
お魚飛び出しちゃうから
なんか対策を
震災のときは
うちは金魚飛び出したお」
「あと枕元やベッドサイドに靴かスリッパを置いておくと良いですよ。
履き古した靴とかでいいんで。ビニール袋とかに入れて置いていくだけでもいい。地震発生して逃げるときに家の中でもガラス散乱してる可能性もあるので。」
など数々のコメントが寄せられている。
マナツさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):「元宮城県民」とのことですが、東日本大震災当時の揺れについてお聞かせください。
マナツ:宮城県仙台市で被災しました。一人歩いて帰宅していたところ、立っていられないほどの大きな揺れを感じ、目の前のアスファルトが割れはじめました。学校でよく過去の宮城県沖地震の経験談を聞かされていたので、電線が大縄跳びのように揺れているのを見て瞬時に「ついに大地震が来た」と思ったのを覚えています。10分程して揺れが少し弱まった瞬間に走って帰宅し、家族と合流できたのですが、30分以上揺れが続いて、とにかく「長い」と感じたのを覚えています。
中将:家具などの転倒対策について、心がけておられることをお聞かせください。
マナツ:まず、高いところには基本的に衣類等の落ちても危険が少ないもの以外置かないようにしています。食器棚だけは少し高さがあるので、転倒防止用の突っ張り棒で動かないように固定するとともに、食器の下に滑り止めシートを引いて少しでも飛び出ないよう工夫しています。
また、万が一倒れてしまった場合にも、他の家具に支えられて止まるように家具の配置を工夫し、下敷きになるリスクを避けています。
中将:今回の地震の揺れについてはどのようにお感じになられましたか?
マナツ:「久しぶりに大きめの地震が来たな」というくらいの感覚です。東日本大震災の余震等で日常的に経験していたレベルだったので、慌てることはありませんでした。
中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
マナツ:せめて自分のフォロワーに知ってもらえれば、というくらいの気持ちでツイートしたものだったので、想像を上回る反響があり驚きました。ツイートに対する反応を見ていると、共感して拡散してくださる方もいれば「初めて知った」とおっしゃっている方もいて、大きな地震を経験した方とそうでない方との間にはまだまだ大きな防災意識の差があると感じました。
今回のツイートや記事を目にした方々がご自宅や職場の物の配置を見直してくださることで、いざというときに怪我を負ったり命を落としたりする方が1人でも減ってほしいと思っています。
◇ ◇
地震はいつどこで起こるかわからない。不測の事態に余計なストレスを抱えないためにも、読者のみなさんもぜひ家具の配置や揺れへの対策には気をつけていたただきたい。
なおマナツさんは昨年3月に別名義ではあるが東日本大震災当時の体験を綴ったブログ記事「春を願う日」を発表している。
体験した方でしか綴れない思い溢れる内容なので、ぜひ多くの方にご覧になっていただきたいと思う。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)