庭にやってきた子猫が不審死!意を決して残り2匹の子猫を保護 今では成長が楽しみな毎日に
■庭にやってきた親子猫
ももちゃん(生後3カ月・メス)とまろんくん(生後3カ月・オス)は、野良の三毛猫が産んだ子猫だった。
千葉県に住む吉田さん宅の庭には数匹の野良猫がごはんを食べに来ていた。ほとんどが男の子だったが、1匹女の子の三毛猫がいて、2021年6月30日、5匹の子猫を連れてきた。
「母猫だけでなく、他の猫も先に子猫にごはんを食べさせたり、遊び相手になってあげたりしていていました。優しく見守る姿に、私もほのぼのした気持ちになりました」
「子猫たちを保護してあげたい」という気がなかったわけではないが、吉田さんは3月に長年一緒に暮らしてきた愛猫を亡くしたばかり。なかなか他の猫を受け入れる気持ちになれず、「外猫として見守ろう」と考えていた。
■子猫の不審死
8月10日、仕事の帰り道、あともう少しで我が家というところで、吉田さんは道路の真ん中に横たわる子猫を見つけた。
「駆け寄ると、我が家にごはんを食べにきていた子猫でした。身体はまだ温かかったのですが、既に亡くなっていました。同時に、母猫と茶白の子猫(後のまろんくん)以外の子猫はいなくなっていました」
3日後、夫と息子が家から2km以上離れている大きな通りの道路の真ん中で、うずくまる子猫を発見。それは紛れもなく吉田家に来ていた三毛の子猫(後のももちゃん)だった。まだ息はあった。
「息子が抱っこして保護しました。子猫が移動できるような距離ではありません。不自然な子猫の死。そして同じ時期にいなくなった子猫たち。我が家に来る猫の存在が気に障った人がいるのか、偶然かは分かりませんが、子猫たちに危険が迫っていると思い、2匹とも保護することにしました」
茶白の子猫は後日、庭に来たところを吉田さんが保護。抵抗することなく、すんなり手のひらに納まった。
「子猫たちが姿を消してから3日後に、遠く離れた場所で発見した偶然。まるで今年亡くなったシニア猫の導きのような気がして、その子のために植えた枝垂れ桃にちなんで『もも』と名付けました。茶白の子猫は、優しい栗色だったので、まろんという名にしました」
■元気いっぱいの子猫たち
元気に動き回るももちゃんとまろんくんを見て、吉田さんは、「かわいいなあ、なんてかわいいんだろう!」と思った。取材時は猫かぜをひいていたので、先住猫からは隔離していた。
「血液検査をしたら猫エイズも白血病も陰性でした。猫かぜが治ったら合流させます。気配を察知している先住猫がドアをカリカリとノックしています。お互い誰かいると分かっているようで興味津々、きっと仲良くなれると思っています」
ももちゃんはおてんばな女の子。体重が標準の半分くらいしかないせいか、ちょっと動きがスローで、とても甘えん坊なんだという。まろんくんは元気なやんちゃ坊主。はしゃぎすぎてよく頭をぶつけている。2匹とも、鈴の入ったボールで遊んだり、またたび入りのおもちゃと戯れたりするのが好きだという。
「早くも名前を呼ぶと返事をしてくれます。久しぶりの猫育活動で忙しい日々が始まりましたが、可愛らしい姿に癒されています。家族全員猫好きなので、みんなデレデレ。会話や一緒に過ごす時間が増えたような気がします」
庭に来ていた野良猫たちは、地域の保護団体から連絡があり、TNRの協力を得られることになったという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)