「骨までまるごと1頭買い」した大分・豊後牛専門の焼肉ホルモン「ブンゴ」 レアハンバーグが大人気な理由
胃もたれしにくい大分県産「豊後牛」を納得の価格で提供してくれる焼肉ホルモン「BUNGO(ブンゴ)福島店」(大阪市)が、ちょっとした旋風を巻き起こしている。最大の売りは”骨まるごと1頭買い”しているところ。だから豊富なメニューとリーズナブルな価格が実現できた。なかでも、ランチタイムの「レアハンバーグ定食」(170グラム、1000円)はすでに福島名物の様相だ。人気のワケを探ってみた。
ひょうたんから駒と言ったら失礼だろうか。大分・豊後牛専門焼肉店として大阪府下で3店舗を展開している焼肉ホルモン「ブンゴ」がランチタイム限定で提供している「レアハンバーグ定食」が大ヒットしている。
その理由のひとつが見た目のダイナミックさ。外はこんがり焼け、中はまるでユッケのようなレア感を保っているところだろう。これだけで写真映えするのは間違いなし。これに特製醤油ベースのたれがジュワッとかけられ、食欲をそそる。
さらに、うれしいのが新鮮なサラダと牛骨スープがセットになっているところ。箸はよく見ると1本1本に「焼肉ホルモン ブンゴ」と掘られていた。こんな芸の細かさは、きっと味にも反映されているはずだ。
そう思って早速、パクッといただくと納得のジューシーさ。なるほど「生でもいただけます」というだけのことはある。しかも、そこは焼肉店の強み。コンロ上での加熱が続くので、お好みの焼き加減にもできる。さらに生卵を追加注文しておくと、味の変化が楽しめて、ごはんがすすむ、すすむ。
もともと、このレアハンバーグはコロナ禍で夜の営業が短縮される中、昼のサイドメニュー的な存在だったそう。しかし「こんな豪勢な挽肉のハンバーグは初めて」と、評判が評判を呼び、いまでは救世主的な存在に。多いときは1日40食出るという看板メニューになった。
もちろん、おいしさの裏側には理由があり、ここブンゴでは骨まで含めて、まるごと1頭買いしているのだ。従来の1頭買いといえば、枝肉までだったそうで、そこが大きく違う点。そのため、豊後牛の全部位が満喫でき、他店ではお目にかかれない部位や1頭から少量しか取れない希少部位をそれなりの価格で提供できるというわけだ。
そんな芸当ができるのも大分県と太いパイプがあるからこそ。運営側の一員で福島市場株式会社の顧問でもある松村匡章さんは大分県のアドバイザーとして、大分産の知名度を上げていく考えだ。
「おおいた和牛はきめ細かな霜降り肉で、おいしさの決め手となるオレイン酸値が高く、健康的で胃もたれしない。その上、口溶けが良くて甘いのが特徴。これからもサポーターショップとして、豊後牛の良さをどんどん広めて行くつもりです」
骨まるごと1頭受け入れるとあって、スタッフ一同は、そのためのメニューを作成した。ここでは書き切れないが、焼肉、ホルモンの部位やメニューがめっちゃ多いのもそのためだ。
また「命をいただく」という思いから食品ロスをなくす考えが浸透しており、その代表格のひとつが先ほどの牛骨スープ。聞けば、8時間たっぷり煮込んでおり、見た目はサラサラした透明感がありながら口に含むと実に濃厚だった。おそらくコラーゲンたっぷり。ヤバい。肌がツヤツヤになってしまいそうだ。
そうそう、夜のメニューもほおっておけない。クスッと笑わせてくれたのが、大分の有名人の名前をいただいたコース料理。「福沢諭吉コース」(8000円)は1万円払ってもお釣りがくるので、なんだか徳した気分になりそう。「瀧廉太郎コース」(5000円)を頼むと「荒城の月」の重厚な音楽が響いてきそうだし、その他に「錦野あきらコース」(5000円)や「深津絵里コース」(4000円)もある。スターにしきのを思い出したり、名女優のあの名場面を思い浮かべるのも楽しそうだ。
元ラガーマンで、このレアハンバーグを考案した福島店店長の竹嵜大喜さんは「イチ押しはランチのハンバーグ。一度食べたら癖になるようでリピーターの方が増えています。もちろん、本日の特上(2000円)、本日の上(1450円)という、その日のおすすめ部位もぜひ堪能してください。高級部位がお手ごろ価格でいただけますよ」とプッシュしてくれた。
気になる飲み物も大分カボスのハイボールやサワーに焼酎「兼八」など”大分愛”を感じさせるものを用意。さらに勘定のときにも楽しみが残されていた。何と2個のサイコロをふり、合計8以上だと1100円の和牛ユッケが次回の来店時に無料となるのだ。
場所はJR福島駅から徒歩3分ほどのガード下。外観は和風で、店の看板には「肉欲に溺れたい」という刺激的な文字が書かれていた。確かに、タイトル通り充実のラインナップだ。次に行くとしたらレアハンバーグもいいけれど、すでに経験済み。思い切って「諭吉コース」で溺れてみたいものだ。
◇焼肉ホルモン「 ブンゴ」 福島店(堺東店、天王寺店もあり)
問い合わせは050-5872-5830、10月の営業時間はフード・ドリンクのラストオーダー20:30、閉店21:00
(まいどなニュース特約・山本 智行)