全米が驚いた? 福岡で“全米オープン”開催のナゾ、コースのゴルフ場支配人に聞いた
おいしい新米と奥さんのお褒めの言葉を賭けたゴルフの熱き戦い「全米オープン」が11月24日に開催される。筑紫ケ丘ゴルフクラブ(福岡県那珂川市)が集客アップのために企画し、今年で8回目。もちろん、本場の全米オープンではないが「ぜんまい」ではなく、堂々「ぜんべい」と読む。賞品が新米なので「奥さんに喜ばれる」と大好評。JA筑紫とタイアップしており、地域振興にもひと役買っている。
もうひとつの「全米オープン」は筑紫ケ丘ゴルフクラブのオープンコンペのひとつとして、すっかり定着している。賞品が「全てお米」ということからの発想。さらに「全日空オープン」由来で毎年2月に開催している「全肉くうオープン」というのもある。
念のため、ゴルフに詳しくない方のために説明すると本当の「全米オープン」は世界のメジャートーナメントのひとつ。毎年、距離の長いタフな難コースで開催されるため、技術はもちろん忍耐力が試される。優勝賞金は2億3000万円ほどだ。決して、お米ではない。一方の「全日空オープン」はANAが冠の国内男子ツアー。夏の風物詩ともなっている。
それにしても、格式の高い大会をもじってのユニークな大会は微笑ましい。筑紫ケ丘ゴルフクラブの橋元忠則支配人(55)によると、賞品はすべて地元のJA筑紫とタイアップしているそうで「お米は福岡県産の新米。野菜も一緒に賞品と出しています。全肉くうオープンも牛肉、豚肉、鶏肉など、福岡のおいしいお肉ばかり。大会名は大きいですが、わたしたちは地元の振興にも貢献しようと思っています」と力強い。
オープンコンペとあってビジターの参加も当然OK。プレー費とは別に参加費3000円が必要だが、うち1000円の食事券が含まれている。また参加賞として全員にお米が配られることもあり、例年150人前後がエントリーしているという。
参加しやすいのは何と言っても、お米や野菜、お肉といった食卓に欠かせない食品が賞品になっているところ。かつてはゴルフに夢中になるあまり、夫人をないがしろにすることからゴルフウイドーという言葉も生まれたが、ここでは無縁。橋元支配人も「奥さんに喜ばれますし、ご主人もコンペに参加しやすいのでは」と話す。
気になる1等賞は当日のお楽しみだとか。しつこく聞くと「お米がメーンでお肉やくだもの、野菜がぎっしり詰まっています」とのことだった。コンペは「密を避けるためもあって」9ホールまでのハーフ集計という短期決戦だけに、ひと波乱ありそう。運が良ければ豊かな福岡の幸をどっさりゲット。発奮材料は帰宅後、奥さんのお褒めの言葉かもしれない。
そんな筑紫ケ丘ゴルフクラブといえば、アクセスの良さが一番の売り。天神から車で30分だから夏なんか薄暮でのプレーも可能だ。コースは丘陵と山岳を同時に楽しめる27ホールからなり、AbemaTVチャレンジツアーの舞台にもなっている。
また、グループを形成する芥屋ゴルフ倶楽部(糸島市)では「あまおう祭り」などを企画。福岡雷山ゴルフ倶楽部(糸島市)でも「カキ祭り」といった名物コンペを行っているという。橋元支配人は「ぶどう祭りも大好評でした。今後も知恵を絞って、お客さまに喜ばれるコンペを企画したい」と話していた。
全米オープン、いや、全肉くうオープンを超えるネーミングの大会を楽しみに待ちたい。
(まいどなニュース特約・山本 智行)