えっ、なぜそこに?引っ越した初日、テラスに子猫がいた 絵本作家の実体験をもとにしたムービーが話題
東京での初めての一人暮らし。その日は引っ越した初日だった。引っ越し作業が一息ついたころ、テラスから何やらゴソゴソと音がする。置いていた空の段ボールに目をやると「えーっ!?何でここに!?」
なんと、そこには小さな猫がちょこんと座っていた。呆然として立ちすくむ男性。小さな瞳で男性を見上げる子猫。
それから男性と後に「しなもん」と名付けられた子猫との同居生活が始まるのだが、YouTubeに公開されている「拾て猫しなもん」の第1話はそんな出会いのシーンから始まる。制作したのは絵本作家で作曲家の岩根央さん。驚きなのは、岩恨さん自身が5年前に体験した実話をもとに1話あたり約3~5分のショートムービーなのだ。
ネット上では、
「可愛いらしいイラスト、聞きやすいナレーション、心地良いピアノの音色、続きを見たくなりますね」
「実話なのですね,,これから続きが楽しみです。イラスト可愛い」
「出会いは偶然・・・と思いがちだけど、必然の出会いも有るね」
と、高評価を得ている第1話が公開された7月1日以来、週1回更新のペースでこれまで今月11日の最新作まで18話がアップされている。
しなもんが野良猫から家猫へ変化する様子。また、庭先に現れた野良猫一家との出会い、そして別れ。
ス卜ーリーが進むごとに引き込まれる内容となっている。やがては、しなもん出生のナゾも解き明かされる予定だ。そしてユーザーから好評価を得ている理由が全編プロのイラストレーター、ピア二ス卜、声優、ナレーターが制作にかかわり、本絡的な”デジタル絵本”に仕上がっている点だ。
制作者の岩根央さんに話を聞いた。
--しなもんを保護した実体験をショートムービーにしようと思ったきっかけは?
「保護してから2~3年、ネコ好きでしなもんがとても愛らしかったので、写真を撮ったりしていました。1年ほど前に整理していたら、作品にするほどおもしろい写真や動画がそろっているな、と思ったのです。これをYouTubeにしてほっこりしてもらえたらと同時に皆さんに見てもらうことで一人でも多くの方に保護猫に関心を持つきっかけになれば・・・やがて収益に繋がった際は動物愛護団体等に寄付出来ればと思いました」
--これだけプロの人たちにお願いするとなると、制作費も相当かかったのではないでしょうか。
「実はほとんどかかってないのです。制作する趣旨にスタッフの皆さんが賛同してくれたので。この作品はそれぞれに自宅で音入れして送ってもらっていますので。スタジオ代も交通費もかかっていません。手作り感ある温かい作品になっています。テーマ曲『出会いは奇跡』は歌手のhinacoさんが歌います」
--現在18話まで公開していますが、気になっているのが、しなもんがどうして段ボールの中にいたのか、ということなのですが
「作品上では"とある理由"としていますが、実は向かいのマンションの・・・おっ!とこれ以上話すとネタばれになりますので(笑)。全40話を予定しているので、いつかナゾが解ける様になっています。予定では、最初の40話を工ピソード1にしてエピソード2も制作するつもりです」
--「捨て猫しなもん」の作品を通して、伝えたいことは?
「動物も私たちと同じように尊い命です。人と調和の取れた平和な社会の実現のお手伝いが出来ればと思います。『捨て猫しなもん』を見るだけで寄付にも繋がります!是非ご覧になってほっこりして下さい」
(まいどなニュース・佐藤 利幸)