「今日ジムで男の人に、急にスマホの画面を見せられて、なんだろうって思ったら、耳に障害があるけど動画見てますって文字に起こしてあって、泣きそうになった。これからの動画も全部フルテロップにする。僕の生きがいはこれだ。」

難聴者向けの動画テロップの重要性を訴える投稿がSNS上で大きな注目を集めている。件の投稿の主は「筋トレ男子」として人気のなーすけさん（@Naasuke_fit）。

なーすけさんはこれまで自身のYouTube動画にテロップを入れていたのだが、あらためて難聴の男性から応援のメッセージを伝えられたことで、大きな感銘を受けたという。なーすけさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「自分も耳が聞こえないのですが、なーすけさんのYouTube見てます✨フルテロップありがとうございます🙇‍♀️そのような気遣いが嬉しいです❤️」

「俺も耳に障がい持ってます。なーすけさんはいつも字幕のテロップが付いてて好き！！（笑）

ありがとうございます😊😊😊」

「他のTikTokerさんも言ってましたね　耳に障害がある方は字幕を　目に障害のある方は読み上げ機能がとても助かるって言われたことがあるって　たくさんの方に見てもらえるように頑張ってください　応援してます📣」

など数々の称賛のコメントが寄せられている。

なーすけさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ（以下「中将」）：男性から声をかけられた時のシチュエーションをお聞かせください。

なーすけ：トレーニングが終わるタイミングで男の人が近づいてきて、スッとスマホの画面を見せてくれました。そこには長文で文字が書いてあり、「なーすけさん、いつも見てます。私は耳に障害がある」と書いてありました。「動画でいつもモチベーションを貰っています」とも書いてありました。

中将：男性のスマホ画面をご覧になった際のご感想をあらためてお聞かせください。

なーすけ：耳に障害がという文字を見た時、いろんな人が見てくれているんだなと思いましたが、家に帰ってよく考えると、僕の動画は全てテロップをしてあるから見れたんじゃないか？と気付きました。他にも、外国の方にテロップがついてるので、日本語でも聞き取れると言われたことがあります。テロップをつけることで、あらゆる人がフィットネスに触れることができると思うと、感動して涙が出てきました。

僕はありとあらゆる人にフィットネスに興味を持って頂きたく動画を発信しています。その中で、字の情報から、視聴できる人の幅がこんなに広がるとは正直思っていませんでした。ただ、誰でも見やすいような動画作り、が根底にあるので、僕にとっては本当に生き甲斐であり、テロップの価値を改めて認識することができました。

中将：多くの反響があったことについてはどうですか？

なーすけ：正直独り言で呟いたこのツイートがここまで拡散されるとは思いませんでした。多くの人がテロップをのぞみ、音が欠かせない動画という媒体から、音がなくても楽しめるコンテンツを望んでいるのだと気付かされました。誰にでも見れる動画作り、というのは簡単そうで、続けるのは難しいですが、それでも僕はやる価値があると感じました。

◇　◇

障害を持った人にとっても自由で優しい社会が実現されるよう願いたい。なお、なーすけさんは現在、12月に控えた「初心者が日本一来やすいジム」オープンに向けて動いているのだという。「誰にでもきやすい、誰もが安心できるジムにしていきたい」ということだ。

（まいどなニュース特約・中将 タカノリ）