子ネコを残し姿を消した母ネコ 甘えん坊の小さな王様は今リビングの人気者に
■母猫が消え、保護された子猫たち
ライくん(オス・生後1ヶ月)は、大分県にある会社の敷地内に母猫と一緒に現れるようになった。3匹兄弟だった。2021年8月、急に母猫が姿を消して、子猫だけでいるところを経営者が発見。人懐っこいというほどではなかったが、保護してミルクを与えたらゴクゴク飲んだという。経営者は既に猫を飼っていて、多頭飼いはできなかったので里親を探した。
■もう犬は飼えない、猫を飼おう
大分県に住むSさんはもともと動物が好きだった。14年間、チップちゃんといっくんという犬を飼っていたが、いっくんは心臓に病気を抱えていて4年前に亡くなった。チップちゃんも心臓に病気があり、獣医師から「いつ亡くなってもおかしくない」と言われていた。それから数年間生き続けたが、2021年7月11日に家族に看取られて亡くなったという。
愛犬を亡くしたSさんは、もうその子たち以外の犬を飼う気がしなかった。母親も「次飼うなら犬ではなく猫を飼いたい」と言ったため、猫を探した。地域の新聞や保健所のホームページに掲載されていた里親募集中の猫の写真を見たり、姉が友人に頼んで探してくれたりした。子猫の頃から成長を見守りたいため、子猫を探したという。
10匹以上の猫の写真を見てもなぜかピンとくる子がいなかったが、姉が探してくれたライくんだけはひとめ見た瞬間に「この子だ!」と思った。
■ライくんがいるリビングに集う家族
9月12日、Sさんは、母親と姉と一緒にライくんを迎えに行った。ライくんは落ち着いていて、手を差し伸べると体をくっつけて甘えてきた。ご飯もしっかり食べてくれたという。
ゲール語の「小さな王」に由来するライアンという言葉から、頭の2文字を取って「ライ」という名前に。ライくんはおもちゃで遊ぶのが大好き。やんちゃだが、しょっちゅう人にくっついて甘えている。塩崎家は、ライくんを迎えてから家族がリビングに集まる時間が増えたという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)