溝で倒れていた子猫を姉が保護 世話をしたらあまりの可愛さにやられ、幸せいっぱいの里親に
■溝で倒れていた子猫
福ちゃん(3才・オス)は、マンションの出入り口付近の溝で倒れていた。
2018年7月中旬、大阪府に住む車田さんのお姉さんが、愛犬の散歩に行こうとしていたところ福ちゃんを発見した。
「とても暑い日に1匹でいて、右目を怪我していたのですぐに保護して病院に連れて行ったそうです。私にも『子猫を拾った』と電話があったので、急いで病院に行きました」
動物病院で福ちゃんを見た車田さんは、「ちっちゃ!!!」「かわいいっ!!!」とお姉さんと大合唱。 生後1カ月くらいで体重が約280gしかなかったので、触るのが怖かったという。
「タオルからヒョコッと出てきた顔が『天使かな?』と思うくらい可愛かったです。 こんなに小さな子猫を見るのも触るのも初めてで、とてもウキウキしたのを覚えています」
お姉さんは犬を飼っているので、車田さんが一時保護することになり、連れて帰ったという。
■この子は私が幸せにする
車田さんは、小さい頃から猫と暮らしていたので猫が大好き。ひとり暮らしを始めてからペット不可のところに住んでいたので我慢していたが、そろそろペットを飼える物件に引っ越したいと考えていた。そんな時に出会ったのが福くんだった。
最初は里親を探そうと思っていたが、一日一緒にいて世話をしたら、あまりの可愛さに愛情が湧いて手放せなくなった。「この子は私が一生幸せにする!!」と、一緒に暮らす決心をした。
初日はトイレから出てこなかったが、ごはんはしっかり食べた。夜になると夜鳴きをし始めたので、当時まだペット不可の物件に住んでいた車田さんは、ヒヤヒヤしたという。翌日にはペット可の物件に引っ越すと決めたので、引っ越しが終わるまでお姉さんが面倒を見てくれることになった。
翌月に引っ越しが完了したので、姉夫婦が新居に連れてきてくれた。またもや初日はトイレに籠城。しかし翌日には、おもちゃで遊びながら車田さんのそばで寝たという。
「とても嬉しかったです。すぐに慣れてやんちゃしまくって、ゴミ箱の袋やティッシュを嚙みちぎり放題。結構困りました…」
名付け親はお姉さんで、たくさんの「福」があるようにという願いを込めた。実際は、車田さんが福ちゃんからたくさんの福をもらっているそうだ。
■福ちゃんと暮らして幸せに
福ちゃんはとても甘えん坊。そっと車田さんのそばに来て、上目遣いで「撫でて」と頭を寄せてくる。ビビりなのに、弟猫の幸ちゃんにはとても強気で、よくケンカふっかける。ただ、幸ちゃんの方が強いのでよく負けている。
2020年1月末、車田さんは不注意で福ちゃんを脱走させてしまった。脱走9日目、なんとなく入ったアパートで名前を呼ぶと、とても小さな声で返事をした。福ちゃんは軒下に入って、出られなくなってしまっていたのだ。福ちゃんは必死で手を伸ばし、車田さんに助けを求めていた。引っ張り出してなんとか保護。幸いケガはなかったが、福ちゃんは家に着くまで、車田さんにしがみついていた。
「その姿を見て本当に反省しました。もっと大事にしようと改めて思った出来事でした」
福ちゃんを迎えて福田さんは、何もない日でも「幸せやなぁ」と思うことが増えたという。
「一緒に寝るだけで幸せを感じるし、玄関を開けてお迎えしてくれるだけでも幸せだと思うことができ、ストレスが減りました。以前はよく体調を崩してたんですが、『福くんと幸ちゃんを養うのは私や!』という使命感からかあまり風邪もひかなくなり、以前より健康になりました(笑)。猫の存在って偉大やな~と思う毎日です」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)