譲渡サイトで「絶対この子だ!」 二世帯家族のかけはしとなり、一家のアイドル猫に
■猫嫌いの人に追い払われた猫
タマちゃん(生後6カ月・メス)は、野良の子猫だった。保護主の向かいの家の庭にいたら、水をかけられ、ほうきで追い払われた。たまたま現場を見た保護主が見かねて保護したという。タマちゃんは、譲渡サイト「ネコジルシ」に登録され、里親を探した。
茨城県に住む上野さんは、物心ついた頃から実家にはずっと猫がいた。みんな保護猫だった。夫は生まれた時からずっと犬がたくさんいる家で育ったので犬派だった。上野さんはどうしても猫を飼いたいと思い、二人で猫カフェに通い、夫を猫好きにすることに成功した。
「夫は仕事が忙しく遅い時間に帰宅するのですが、私と猫が家で待っていたら、夫もハッピーになると思い、本当に猫を飼うことにしました」
■写真より200倍可愛い
ネコジルシのサイトを開くと、一番新しく登録されていたのがタマちゃんだった。
「尻尾が長くて目がクリクリ、絶対この子!!!と決めていたので、夫に相談する前に保護主さんに連絡しました(笑)」
2021年8月、引き渡しの当日、保護主がタマちゃんを家に連れてきてくれた。タマちゃんは長旅だったこともあり、さっそくトイレをした。その後尻尾をピンと立ててすごく嬉しそうに、室内を散策したり用意していたボールにじゃれたりしたという。全く物おじせず、保護主もその様子をみて安心して帰った。
「実物のタマは写真より200倍可愛い猫でした!その時から親バカは始まっていました(笑)」
保護主がタマちゃんと名付けていたので、名前を変えようとは思わなかった。
「タマの姿を見て、保護主さんが愛情を込めて育ててくれたのが分かったので、感謝の気持ちを込めて名付けの親は保護主さんに!と思いました」
■義父母と夫婦の交流が増えた
タマちゃんは甘えん坊で、いつも後追いをしているという。上野さんがキッチンに立つとカウンターから料理している手元を見つめ、お風呂に入ると扉に鼻をつけて待っている。
「お風呂の扉越しにシルエットが見えるんです(笑)。人間の手が好きで、携帯を見ていると携帯を手で払い、撫でろ!と要求します」
ペットボトルのキャップが好きで、ひたすら遊んでいるそうだ。また、ウェットフードが大好きで、カリカリだとあからさまに不服そうな表情をする。
上野家は二世帯住宅で、義父母と夫婦が暮らしている。上野夫妻は仕事をしているため、ほとんど義父母とは接点を持たずに生活していたが、タマちゃんが来てからリビングに集まって雑談を楽しんだり、誰が一番タマちゃんに懐かれているかを争ったり、賑やかになったという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)