「お兄ちゃん、仲良くしたいニャ」…猫カフェにいた人懐っこい子猫、妹猫を亡くして傷心の先住猫を救う
こはるちゃん(2歳・メス)は、生後3カ月くらいの時に静岡県内の公園の駐車場で保護された。そこには野良猫がたくさんいたが、どの子が母猫か分からないという。こはるちゃんは、あずきちゃんという姉妹猫と一緒に個人で猫の保護活動をしている人に保護された。2匹ともとても人懐っこくて優しいので、すぐに「にゃんころ」という猫カフェにデビュー、里親を探した。
こはるちゃんとあずきちゃんは、尻尾を見ないと分からないくらいそっくりだった。こはるちゃんの尻尾は長くてまっすぐ、あずきちゃんの尻尾は短かった。あずきちゃんは、同じ猫カフェにいた子猫と一緒に譲渡されたという。
■穏やかで人懐っこい猫
静岡県に住むNamiyoshi320さんは、兄妹猫を飼っていたが、わずか6歳で妹猫のなみちゃんが亡くなってしまった。残されたみよしちゃんは、かわいそうなぐらい落ち込み、ごはんも食べなくなり、なみちゃんの姿を探し回った。
Namiyoshi320さんは、みよしちゃんのことが心配で、仕事に出ても昼休みに帰宅するようになった。みよしちゃんは少しずつ元気を取り戻したが、Namiyoshi320さんはもう1匹猫を迎えることにした。
猫カフェ「にゃんころ」に猫を探しに行ったNamiyoshi320さんは、すりすりしてくる人懐っこいこはるちゃんに一目惚れした。こはるちゃんは一緒に暮らしている猫たちと穏やかに暮らしていて、Namiyoshi320さんは、「この子ならみよしを助けてくれるかもしれない」と思い、その日のうちに里親になることを希望した。
■先住猫を兄のように慕う
2019年4月、Namiyoshi320さんはこはるちゃんを迎えた。生後6カ月くらいになっていた。
「こっちゃん」と呼びたかったので、春に家族になったこともあり、「こはる」と名付けたという。
みよしちゃんは、なみちゃんが亡くなって間もなくこはるちゃんを迎えたからなのか、心の整理がつかないようで、初めはシャーシャーと威嚇した。こはるちゃんは戸惑っていたが、「仲良くしたいな」と思っているように見えたという。
Namiyoshi320さんは、先住猫のみよしちゃんが我が家では一番ということを2匹にわからせるために、2日間こはるちゃんをケージに入れて過ごさせた。その後は、Namiyoshi320さんが外出する時や就寝中のみケージに入れるようにした。こはるちゃんはケージの中でも大人しく、じっとしていた。
「猫たちのペースに合わせて徐々に慣れさせていこうと思ったのですが、私の知らぬ間に2人の距離が縮まっていました。もともとみよしの性格が優しく、こはるが控えめなこともあり、相性が良かったのかもしれません」
みよしちゃんは、家にひとりぼっちでふさぎ込んでいることがなくなり、こはるちゃんに慣れるにつれ食欲も戻り、元通り明るく元気になった。こはるちゃんはみよしちゃんのことを兄のように慕っているという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)