「息子の登校拒否は、担任の熱血指導がきっかけでした」 母親のSNS投稿に共感「かわいそう」「まともじゃない」
「息子の登校拒否は、担任の熱血指導がきっかけでした」
教師による行き過ぎた指導の弊害がSNS上で大きな注目を集めている。
「『忘れ物をしたら授業をしません』とか、給食を食べ終わっていない子を囲んでカウントダウンするとか。プレッシャーから『学校へ行きたくない』と言うようになり、 『連帯責任はやめてください』『完食指導がつらいです』と何度も伝えた」
とその“被害”をうったえたのは主婦のマエリンさん(@maerin_asd)。
マエリンさんは小学校に上がったばかりの子供が登校拒否状態になり、児童精神科で診断を受けたところ適応障害という診断。「『良い子』というのは『先生の言うことに忠実な子』とは違う」というマエリンさんの怒りに、SNSユーザー達からは
「私は教職課程を履修中の身で、その授業中の討論でよく話題にするのですが、「わざわざ職業として教員を志望するのは、不登校等を経験せず、学校に良い思い出が有る人」なんですよね。私は社会教育主事課程も履修していて、そちらの方が現実(不登校の児童等が居る事を認める)を基準にしているな、とこれは私の憶測ですが、所謂熱血教師は、学校に良い感情を抱いていない生徒のことを理解しにくいのではと思います。」
「まともじゃない。野球部じゃあるまいし
学校も選択制にしてほしい。個性を育てる学校とか、集団生活を育てる学校とか…。
全員が全員同じように行動できる訳ない かわいそう…」
「私の小学校4年の担任がとんでもなく酷い方でしてね…
・忘れ物したら飯抜き
・朝6:30にクラスメートの車にイタズラした犯人を私と事情訊かずに決めつける
・友人とテストの点数で競わせる
どれだけ精神的にもっていかれたか…息子さんの心中お察しします。」
など数々の共感のコメントが寄せられている。
マエリンさんにお話をうかがってみた。
--担任の指導内容について知った経緯をお聞かせください。
マエリン:息子が入学する前に、幼稚園のママ友から、小学校にめちゃくちゃ厳しい先生がいるらしいという話を聞きました。「先生に言われて給食を食べなきゃって焦って、かき込みすぎた結果、嘔吐してしまった子がいるんだって。」「給食を少なめにしてくださいって親が頼んだけど、『給食費を払ってもらってるからそんなわけにはいきません』って言われたらしい。」という話でした。
入学してその先生が担任になった時「当たってしまった」と思いました。そして息子が「給食が嫌だ」と言ったときには、やっぱりそうなったかと思いました。
連帯責任については息子から話を聞きました。「水着を忘れたらプールの授業ができない。みんなに迷惑がかかる」と言っていました。ママ友から「忘れ物をしたら授業をしません」と前の担任したクラスでも言っていたことを聞きました。それから息子は半泣きで「ママも一緒に時間割を確認して」というようになりました。
--ちょっと思い込みが強すぎると言うか、独善的なタイプの教師ですね。担任の指導内容を知った際の感想をお聞かせください。
マエリン:「先生が怖い。学校に行きたくない。」と息子が言い始めた時、学校で先生に叱られることなんてたくさんあるし、正直息子のメンタルが弱いんだと思いました。でも、息子の話やママ友の話を詳しく聞いていくと、過去のクラスにも登校拒否する子がいたようで、「ちょっと厳しすぎるのでは?」と思いました。
--改善の要望に対し、担任はどのような対応だったのでしょうか?
マエリン:「給食の完食指導はやめてもらえませんか?」という要望に対しては「減らすこともできるし、残してもいいんですよ」という回答でした。でも残すと「なんで?」と言われるし、給食時間の終わりにはクラス全員から「5、4、3、2、1」とカウントダウンされるそうです。
「先生の怒る姿が怖いと言っています」と言うと「私は指導する立場なので、厳しく言うこともあります」。
しだいに息子は「自分は学校に行かない悪い子だ」と自分の頭を叩いたり、床に打ち付けたりするようになりました。児童精神科を受診して、適応障害(不安・緊張状態)と診断されました。同時に感覚過敏がひどくなり、身の回りの音に対して敏感に反応するようになり、日常生活がまともに送れなくなりました。いろんな音が生理的に無理になり、自分の腕を噛んで気を紛らわすほどでした。黒板を爪で引っ掻いたような音に聞こえるらしいです。その診断書を校長先生に提出したところ「学校側の指導が原因で登校拒否にさせてしまい申し訳ありません」と謝罪がありました。
--これまでのSNSの反響への感想をお聞かせください。
マエリン:息子はレアケースだと思っていました。でも「うちの子もそうなんです」とか「自分も昔そうされてトラウマです」とか、同じような経験をされている方が多くて驚きました。
ただ、一方で「親の要望を聞いていたら先生がパンクする」という声もあり、確かに1クラス30人くらいの生徒がいる中で、先生が一人でまとめないといけないのはとても大変なことだと思いました。
「個性を伸ばそう」と言われる割には、現場に余裕がなく厳しい指導で恐怖による支配をするのが手っ取り早く生徒をまとめる方法なのかもしれないと思いました。
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「リアルでは登校拒否について相談できなかったり、周りの人に理解してもらえなかったり、私自身、大変孤独を感じていました。私がつらい時期を乗り越えられたのは家族のサポートはもちろんですが、孤独や苦痛を共感してもらえるSNSがあったからだと思っています。SNSに依存することはよくないとは思いますが、ひとりじゃないと思えることはとても強みになるはずです」とマエリンさん。
マエリンさんは子育てや教育問題について各種SNSで日々発信しているので、関心のある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)