「エイズかもしれないけど」 この子にすると決めたらもう家族、あざと可愛い男子は先住猫の最高の相棒に
■先住猫の友達を見つけよう
よもぎちゃん(生後7ヶ月、オス)は、多頭飼育崩壊の現場からレスキューされた猫がシェルターで産んだ子猫だった。愛知県に住む高齢者宅で猫の多頭飼育崩壊があり、名古屋の保護団体「花の木シェルター」が介入したのだが、高齢者宅には25匹の猫がいたという。
愛知県に住む石河さんは2021年4月、花の木シェルターが動物愛護センターから引き出した子猫「あずきちゃん」を迎えたが、そろそろあずきちゃんの友達になってくれる猫が欲しいと思っていた。2021年7月、家族で花の木シェルターに行ってみた。あずきちゃんを迎えた時も動物番組が好きな長女が「保護猫がいい」と言ったのだが、今回も保護猫にすることに迷いはなかった。
■何をされてもゴロゴロ
花の木シェルターには200匹を超える猫がいた。どの子にしようか迷ったが、夫がよもぎちゃんがいいと言った。まるで心を射抜かれたようだったという。
8月、花の木シェルターの代表坂田さんが連れてきてくれた。よもぎちゃんはしばらくケージに入っていたが、すぐに出てきてゴロゴロと喉を鳴らした。抱っこされても撫でられても嬉しいらしく、喉をゴロゴロ鳴らして喜びを表現した。先住猫のあずきちゃんはよもぎちゃんのことがすぐには受け入れられず3日間ほど警戒していたが、自然に打ち解けてグルーミングしてあげていた。
名前は、あずきちゃんの時と同じくおもちシリーズにすると決めていて、「ずんだ」にするか「よもぎ」にするか迷ったが、顔のイメージに合わせてよもぎちゃんにしたという。
■あざと可愛い男子にメロメロ
石河さんは、よもぎちゃんを迎える時、エイズ陽性かもしれないと言われた。家族で話し合うと、子供たちが「たくさんの猫の中から選んで、もう迎えると決めたのだからよもぎは家族。結果はどうあれ迎えたい」と言った。後日検査をすると、結果は移行抗体陰性だった。
よもぎちゃんは何をされてもされるがまま。マイペースで元気な子だ。怒られると上目遣いで見るあざと可愛いところがある。
「この目で見つめられると、主人は怒る気力を奪われて『くそぅ、かわいい顔しやがって!!』と撫でてしまうんです(笑)」
よもぎちゃんを迎えて一番変わったのはあずきちゃんだという。日中お留守番をしていることが多く、ペットカメラで見るとつまらなさそうに寝ていたが、よもぎちゃんが来てからは追いかけっこをしたり、寄り添って寝ているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)