ツイッターで夫の殺害依頼した容疑で女逮捕…「SNSのやり取りは、いくら消しても証拠として残る」小川泰平氏が解説

 SNSが犯罪に利用されている。ツイッターで夫の殺害を依頼し、実行犯となる男たちを自宅に招き入れたとして、都内に住むパート従業員滝田深雪容疑者(44)が警視庁捜査1課に殺人未遂と住居侵入の疑いで今月8日に逮捕された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は10日、当サイトの取材に対し、事件の背景を解説した。

 事件は今年8月7日未明に起きた。東京・足立区のアパートで就寝中だった滝田容疑者の40代の夫が、侵入した男らに刃物で胸などを刺されて全治1カ月の重傷を負った。10月になって、小西昂太容疑者(22)と酒井亮太容疑者(22)、当時19歳だった少年の計3人が殺人未遂と住居侵入の容疑で逮捕され、うち2人が「事件の数週間前、殺害を依頼するツイッターの投稿に応じた」と供述したことから、滝田容疑者が浮上した。

 滝田容疑者は「私は関わっていない」と容疑を否認。“実行犯”となった男たちは「(滝田容疑者から)報酬をもらう約束をしていたが、支払われていない」と話しているという。また、重傷を負った夫は「夫婦仲が悪かった。妻には借金があった」などと説明しており、同課は事件の経緯を調べている。

 小川氏は「かつては『闇の職業安定所』などといった違法のサイトが犯罪に利用されたが、今回のツイッターのように、SNSを使って、しかも殺人依頼をするなどということはこれまでなかったと思う」と指摘した。

 妻の逮捕までに事件発生から3カ月も時間を要したことについて、小川氏は「当初、妻も被害者の一人とみられていたはずで、怨恨の線などで捜査が進められていたことも考えられる。具体的な捜査は、夫の交友関係や妻の交友関係等を捜査する。当然のことであるが、通話記録や無料通信アプリ等、SNSにも捜査は及び、妻のやり取りに不審な点があることが判明。妻に対する捜査も着手されていたと思われる。さらに、実行犯の男たちが逮捕され、その供述から妻の逮捕に至るわけだが、『(夫の死亡で)保険金が入るので報酬を払う』つもりだったのだろう」と推測した。

 「私の夫を殺してください」。そんなストレートな文言ではなくても、高額な報酬を匂わす依頼で実行犯を募ったと思われる今回の事件。小川氏は「ツイッターなどSNSのやり取りの履歴は削除しても全て復元されます。闇の職業安定所もそうであったように、SNSでは全てが分かってしまう」と説明。1度投稿したら最後、いくら消しても証拠として残るのだ。容疑者にとって、そこに落とし穴があった。

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