2階建てバスの保護猫カフェ「ひだまり号」リフォームで“再出発” コロナによる運営危機乗り越え
昨年から新型コロナウイルス流行のあおりを受け、お客さんが激減し厳しい運営を強いられていた2階建てバスの保護猫カフェ「ひだまり号」(名古屋市西区)。今年夏にカフェのリフォームを終え、11月には別館シェルターのリフォーム工事が完了しました。コロナ禍で1年ほど工事が延期されていましたが、傷んでいたというカフェやシェルターの壁の模様替えを実現。10月からは緊急事態宣言が解除となり、今後少しずつカフェの客足が戻ることを願っているといいます。
親に置き去りにされたり、迷子になったりと行き場をなくした子猫を保護して育て里親へつなげている「ひだまり号」。このほど完了した念願のリフォーム工事のこと、現在の運営状況や保護活動などについて 運営している祖父江昌子さんにお話を伺いました。
--カフェと別館シェルターのリフォームが終えたとのこと。どのように変わりましたか?
「カフェ内のリフォームは7月に終えました。メインの部屋の壁紙は以前ヒマワリに夕焼けの風景だったのですが、今回のリフォームでヒマワリ畑に気球が浮いている昼間の風景にガラッと変えてもらって。おかげさまで、常連客の方から『明るくなったね』『雰囲気が変わって良くなった』と好評を得ています」
--別館シェルターの方は?
「11月初旬に終え、黄色や黄緑色など明るい色の花柄や落ち着いた白地の花柄の壁紙に変えてもらいました。こちらのリフォームに関しては、社会福祉活動に取り組む建築資材メーカーさんに無償で工事をしていただいたんです」
--シェルターの廊下の壁紙は猫柄になりましたね。
「はい。廊下の壁には、在籍の猫の名前のメモ書きを直に貼ってありました。今回、猫の壁紙の真ん中にはマグネット式のホワイドボードを設置してもらったのでありがたいです。また、メーカーさんのご提案で壁紙は全て爪とぎしても簡単に破れない丈夫なものにしていただきました!」
--今後は簡単に破れませんね。シェルターにも来客が?
「シェルターには、現在病気の猫を含め約15匹の保護猫がいます。里親希望の方に来ていただいています。壁紙がボロボロだったり、ベニヤ板がむき出しだったりしていたので、お客様さまに申し訳ないと思っていました。今度はガラリと変わり、きれいなお部屋に胸を張ってお迎えできます」
--リフォーム中、猫ちゃんたちはどうしていたんでしょう。
「一時的に、ケージに入れて夫の部屋兼作業部屋に移動。しばらく狭い思いをさせてしまって…お部屋がきれいになったので許してねと伝えました。ただ、壁紙が変わっても猫たちは何とも思っていないかもしれませんが(笑)」
--カフェの運営状況は?
「カフェには現在約20匹の猫がいます。緊急事態宣言が解除されても、来店数はそれほど増えておらず。コロナの前のように80匹近い猫の保護をしていくのは金銭的にも作業時間的にも厳しい状況です。オーバーフローしないようにし、もっと1匹ずつの猫に手をかけてあげたいと思います」
--リフォームによる心機一転でカフェの運営を続けられるとのことですが、今後の運営についてお聞かせください。
「コロナの影響で遅れていたリフォームですが、建築資材メーカーさんのご厚意で猫のシェルターを素敵な空間にしてもらいました。私たち夫婦の活動を理解していただき、感謝しかありません。今はコロナの感染者が減り少しホッとしてはいますが、客足が戻っているわけではなく、第6波が来る可能性もあり正直不安もあります。今後は、猫の保護の数も無理のないように考えながら、ひだまり号を走らせていこうと思っております」
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保護猫カフェ「ひだまり号」では、保護猫たちの里親さんを募集しています。実際に「ひだまり号」に来店し、猫と触れ合って決めていただきたいとのこと。お電話にてお問い合わせください。
▽保護猫カフェ「ひだまり号」
愛知県名古屋市西区香呑町(こうのみちょう)3-74
電話:052-522-6295
営業時間:11:30~20:00(最終入店:19:00)
定休日:毎週水曜日、木曜日
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)