「ホテルでも旅館でもない」夕食は寿司職人が出張サービス…1日1組限定の京町家1棟貸し宿を体験してみた

 観光地・京都でいま注目を集めているのが風情ある京町家の1棟貸しした宿泊施設「紡 Machiya Inn」だ。株式会社レ・コネクション(京都市下京区)が手掛け、市内に約60棟展開している。1日1組限定だからプライベートが保たれ、夕食には寿司職人が宿に赴いて目の前で「上方寿司」をつくってくれるプランまである。GoToトラベルの再開はもう少し先になりそうだが、その前に秋の京都を満喫してきた。

■1日1組限定「京町家1棟貸しの宿」で秋の京都を満喫

 京町家1棟貸しの宿泊施設「紡 Machiya Inn」は、京都市内で宿泊施設の管理運営や飲食事業、不動産売買など幅広く展開しているレ・コネクションが手掛けている。

 同社では特に、歴史ある京都の街並みを後世につないでいくことを使命とし、2016年の起業時より「人を結び 街を紡ぐ」をコンセプトに、京町家を保存・再生、活用する事業を積極的に行ってきたという。

 そのひとつが、今回紹介する1日1組限定の1棟貸しをメインにした宿泊施設「紡 Machiya Inn」。広報担当の大石彩未さんは「八坂神社や清水寺に近いエリアや、京都駅、伏見稲荷神社の近くなど、市内各所にございます。広さや施設仕様も様々ですので、ご都合に合わせてお選びください」と話す。

 今回は、その中の施設「紡 西洞院花屋町」(京都市下京区西側町)に宿泊することに。外観は伝統的な京町家を、趣はそのままにフルリノベーションした宿だ。5名まで宿泊できる。他人とは接することなく、家族や仲間だけで宿泊できるので、コロナ禍でも安心して泊まれるのも魅力だ。

 建物の中に入ると、町家らしい趣を残しながら梁や古建具等をうまく使って改装されている。京らしい中庭もあり、落ち着けるし、何かと使い勝手もいい。ちなみに、ベッドルームは1階と2階に2部屋ある。お風呂は数人が余裕で入れる桧風呂。2階にはシャワールームも完備。キッチンもあり、手作り料理を楽しむことができる。

■熟練の寿司職人が出張してくれる夕食プランは要マーク

 おやっと思ったのが京町家に居ながらにして、寿司職人が出張してくれて、目の前で寿司を作ってくれる夕食プラン。滅多にできない体験で、おすすめだ。実際にプランの中から「お部屋で本格板前寿司~統の味を楽しむ~関西郷土寿司プラン」をチョイスしてみた。

 この出張サービスを行っているのは「出張料理すし Master」。代表の藤森正幸さんは、大阪で江戸時代から約370年続く老舗の寿司店「すし萬」で約10年間、修行を積んだ熟練の職人だ。

 すし萬では“握り寿司”を「江戸前寿司」と呼ぶのに対し“握らずに押して作る関西の寿司”を「上方寿司」と呼んでいる。この上方寿司を作る職人は希少である。

 目の前で、煮穴子やエビ、卵などの食材と酢飯を木枠に入れて押し固めてつくっていくのだが、その鮮やかな腕前は目を見張るほど。そして、上方寿司は握り寿司とはまた違う奥深い味わいが楽しめ、目の前でつくっていただいた上方寿司のおいしさにも感動。これで終わりかと思えば、最後に茶巾寿司もつくってもらって、おなかも大満足だった。

 「ご滞在施設に寿司職人が出張するサービスは、小さいお子様やご高齢のお客さまがいらしても、周りに気兼ねなく、まるで我が家にいるかのように寛ぎながらお食事をお召し上がりいただけます。ホテルとも旅館とも違う新しい宿泊体験を、ぜひ大切な方とご利用ください」と大石さん。これからの紅葉シーズンにはもってこいだろう。

(まいどなニュース特約・八木 純子)

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