家には2匹いたけれど、兄妹の子猫を放っておけず家族に。さらに子猫が生まれて…「でも賑やかで幸せ」
■放っておけない
こつぶちゃん(1歳1ヶ月・メス)とモナくん(1歳1ヶ月・オス)は兄妹猫。2020年9月21日、佐賀県に住む大久保さんの知り合いが家の付近のいたところを保護したという。
当時、大久保さんはごんぞうくん、ちょびくんという猫を保護センターから引き取って飼っていた。友人から「こつぶちゃん、モナくんの里親を探している」と聞き、もうこれ以上猫を増やすことはないと思っていたが、2匹が先住の兄弟猫にそっくりだったので放っておけず、同居するお母さんに聞くだけ聞いてみようと電話した。
意外だったが、お母さんは「飼おう!」と迷うことなく言った。「え!飼うの?4匹になるんだよ!」と言ったが、「2匹も4匹も変わらん。前は犬を5匹飼っていたし、それに比べたら全然よ」と言うお母さん。結局、大久保さんは2匹を引き取ることにした。里親を探していると聞いてから飼うと決心するまでほんの数分しかかからなかった。
■4匹仲良く
2020年10月9日、大久保さんはこつぶちゃん、モナくんを迎えた。玄関に入るなり2匹は力強い唸り声をあげた。その声を聞いた先住猫たちは「何事か!」と驚いたようで、ケージの方をじっと見つめていた。ケージ越しに会わせてみると。モナくんは小さな身体で全身の毛を逆立て猛烈に威嚇。こつぶちゃんは用意していた猫ハウスに隠れて出てこなかった。
先住猫のごんぞうくんはどんなにモナくんが威嚇しようとも「怖くないよ、大丈夫だよ」と言うかのように、そっと顔を近づけてみたり、匂いを嗅いだりした。そして、何もせず黙って近くに座って寄り添っていた。
ただ、先住猫のちょびちゃんはシャーシャーと威嚇。大きな身体だがとてもビビリだった。「どんな子が来たんだろう」と興味津々で近づいてみるが、次の瞬間にはシャー!大久保さんはお互いのストレスになってはいけないと思い、慣れるまで隔離した。数日経ってケージから出した時に初めて触れ合い、ちょびくんが時々シャーとは言うものの、2週間も経つと4匹がぎゅうぎゅうにくっついて仲良くしていた。
「その姿が可愛くて、可愛くて。仲良くなれて一安心でした」
■立派に子育て
こつぶちゃんが生後8ヶ月になった頃、妊娠が発覚した。モナくんとの間にできた子だった。2020年5月11日、こつぶちゃんは無事4匹の子猫を出産。臆病で、いつもベッドの下の隅っこなど人目につかない場所に隠れるような子だったが、母猫になると態度が一変した。
ニャーニャーと甘えたような声で鳴き、たくさん話すようになり、頭をぶつけてきたり体を擦り付けてきたりして「撫でて」とアピールするようになった。まだ1歳にもなっていないのに子育てできるのか心配だったが、2階が安全だと判断したようで子猫たちを2階に移動させ、3度も場所を変えて子育てをした。次第に子猫たちの目が開き、動き回るようになってきたので階段から転落しては大変だと大久保さんが1階の部屋に移動させたが、「余計なことをしないで!」と言わんばかりに、大慌てで元いた場所に子猫たちを戻したという。大久保さんは、「要らないことをしてごめんね」と謝った。
モナくんは変な体勢で寝ていたり、リラックスしている時に牙を出して寝ていたり、家族を笑わせてくれるひょうきん者。ドアの開け方や引き出しの開け方を見て覚えたようで、大久保さんが帰るとどこかしら閉まっていたはずの扉が開いている。
2匹だった猫が8匹になり、大久保家は賑やかに。幸せいっぱいだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)