現場からガソリン検出「放火の疑い、殺人罪も」 小学生とみられる2遺体発見、兵庫・稲美の民家火災 小川泰平氏が解説
兵庫県稲美町で19日に住宅が全焼して2人の遺体が見つかった火災を受け、兵庫県警は21日深夜、現住建造物等放火の疑いで加古川署に捜査本部を設置したと明らかにした。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は22日、現場を取材し、当サイトに対して「放火」の疑いと共に「殺人罪」が適用される可能性を指摘した。
県警によると、火災は19日深夜に発生、木造2階建て住宅が全焼し、約4間半後に鎮火した。捜査関係者によると、遺体は体の大きさなどから住人の小学生兄弟とみられることが判明。同居する50代の伯父と連絡が取れておらず、捜査本部は何らかの事情を知っているとみて捜査している。県警捜査1課は21日の記者会見で「出火原因が人為的と判断した」と説明。見つかった2遺体を22日に司法解剖し、外傷の有無などを調べる。
現場を確認した小川氏は「旧来からの住宅街。裏には畑があるような場所で、私が確認した限りでは周囲に防犯カメラはなかった」と報告。「家が全体的に焼失しているのではなく、玄関のある南側が燃えていることから、故意に火を付けた、放火の可能性が強い」と分析した。
亡くなった可能性のある小学生兄弟について、小川氏は「火事になった時間は夜中の11時50分。小学生ですから、時間帯からみて寝ていたと考えられ、炎に気づいた時には、火の回りが強くて逃げ切れなかった可能性がある」と推測。連絡が取れない伯父については「重要参考人の一人として警察が追っていると思われます」と見解を示した。
また、現場からガソリン成分が検出されたことも分かった。今後の捜査について、小川氏は「現時点で、現住建造物放火罪の容疑ですが、夜中に小学生が寝ている付近にガソリンをまいて火を付けたのであれば、殺人罪という罪名が付く。単なる放火ではなく、動機の面でもこれから捜査が進められるでしょう」と指摘した。