TNRしようと捕まえた猫が翌朝出産!? 病院で里親募集していた2匹の子猫をわが子に「どの出会いも奇跡」
■捕獲した猫、突然出産!
みりんちゃん(メス)とゴンちゃん(オス、ともに生後7カ月)は、TNR(T=TRAP「つかまえる」N=NEUTER「不妊手術する」R=RETURN「元の場所に戻す」)するため捕獲した猫が産んだ子猫だ。
2021年4月13日、東京都小金井市で、ボランティアがTNRをするため猫を捕獲した。動物病院に連れて行ったが、少し怪我をしていたため治ってから不妊手術をすることになった。
ところが翌日、その猫が突然3匹の子猫を出産した。あまりにも小さな猫だったので、獣医師ですら妊娠していることに気がつかなかったそうだ。獣医師は、「ケージの中で急に赤ちゃん猫の鳴き声がしたからびっくりしたよ!」と言った。
■先住猫もみんなわけあり、すぐに仲良く
東京都に住むAさんは、3匹の猫を飼っていた。みりんちゃん、ゴンちゃんが生まれた病院で里親を募集していたので引き取った。2匹は生後1カ月半くらいになっていた。残る1匹は、Aさんの息子の幼なじみの家にもらわれた。みりんちゃんとそっくりで、見分けがつかないくらい。麦ちゃんと名付けられ幸せに暮らしているそうだ。
「よく知っているご近所の方なので、成長の様子など情報交換できて嬉しいです」
名前は、みりんとぽんず、調味料シリーズにしようと思っていた。ところが、息子が1匹は自分が名付けたいというので、好きなアニメキャラクターに因んで「ゴンちゃん」になったという。
3匹の先住猫は、それぞれわけあって引き取った子たち。箱入り育ちではないので、Aさんは「多分うまくやってくれる」と心配していなかった。ベンガル猫で8歳の琥珀ちゃんは、最初は完全無視。黒猫で4歳のあずきちゃんはしばらく近寄ってこなかった。茶トラで6歳のきなこちゃんだけは、子猫たちのお世話がしたいようで舐めまわした。
子猫たちは、最初は大人猫にびっくりしていたが、2週間ほどで落ち着いて5匹で団子になって寝たり、追いかけっこをしたりするようになった。
■どの子も幸せにしたい
みりんちゃんは薄めのきれいな茶トラで、顔もスタイルも良い美猫!運動神経もすごくて、カーテンレールの上を歩いたり、エアコンの上でくつろいだり、ととんでもないところにいるのでたまに驚かされる。ツンデレだが甘えん坊なところが可愛いのだという。
ゴンちゃんは丸顔。体もまん丸で、いつも人のそばにいたがる甘えん坊だ。先住猫のあずきちゃんが大好きで、よく一緒にお昼寝している。高いところで遊んでいるみりんちゃんをうらやましそうに眺めていることがある。
みりんちゃんとゴンちゃんは、兄妹だからかとにかく仲が良く、一日のうち20時間くらいは一緒にいるそうだ。
「もとから3匹いたところに2匹加わったので合計5匹に。大変でしょう?なんて聞かれることも多いですが、全くそんなことはありません。娘も息子も生まれた時から猫がいる中で育ってきたので(去年22歳半で亡くなった長寿猫もいた)、猫がいるのは生活の一部。家族がギスギスしそうな時も、子どもたちが思春期を迎えた時も、猫の話題だけは途切れません」
「猫たちが待っているから早く帰りたいと思うし、イライラしたときも猫のゴロゴロを聞いて毛皮に顔をうずめていると気分が落ち着きます。飼ってあげているというよりも飼わせて頂いているという感じ。猫のおかげで仲良くやってるなあと思う瞬間がたくさんあります」
Aさんは、どの猫との出会いも奇跡、虹の橋を渡った猫たちを含めて、出会った全ての猫たちと大事なストーリーがあるという。子猫たちが加わり、毎日が運動会でにぎやかになった。
「どの子も命がつきるまでそばにいて、幸せにしてあげたいと思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)