ピーマンの切り口に“顔”みーっけ! ニコちゃんマーク、ムンクの「叫び」やアンパンマンも

 出合いは突然だった。晩ごはんの準備でピーマンを切っていたところ、へたの断面ににっこり笑顔を見つけた。ん?ニコちゃんマークだ!何だか縁起がよさそうなのでカメラでパシャリ。その日からピーマン漬けの日々が始まり、いろんな方向から包丁を入れるようになった。名付けて「ピーマン占い」。きょうはどんな顔に会えるかな。

Day1 初日はピーマンの肉詰め。当たり付きアイスの棒をドキドキしながら確認するみたいに、ピーマンを頭から真っ二つに割っては切り口を見ていく。6個中4個目に差し掛かるころ、「うひょー」と絶叫しているような表情が現れた。目は落ちくぼみ、口を大きく開けながら頬に手を当てている…。ノルウェーの有名画家エドヴァルト・ムンクの作品「叫び」に似ているかも。

 何に怯えているのだろう。恐怖や狂気に飲み込まれているような表情が申し訳ないけど、いい。成仏できますようにと祈りながら、種とワタをバリボリ取り除いた。

Day2 ピーマンの煮浸しが恋しくなる日がある。旬の夏はとっくに過ぎたけれど、噛むとじゅわっと広がる甘い煮汁が味わいたいときに。この日はへたの断面を狙い、厳選した3個を切り込んでいく。少しつぶれたような顔が気になりよく見ると…アンパンにそっくり。しかも、バイキンマンの攻撃で顔を汚され、元気のないアンパンマンだ。ふやけて倒れこみながらジャムおじさんに助けを求めている場面が頭に浮かんだ。「顔が濡れて力が出ないよー」

Day3 餃子を焼いても全戦全勝!するするのパリパリ!を誇る自慢のフライパンで、チンジャオロースを作った。3個切ったが、見たことのある顔が何個もあったので、記念に揃って「はいチーズ」。

 かなりホラーです。

Day4 ピーマンがナイスバディだと気付いたのは、顔集めにも飽きてきたころだった。尻に目を向けると、一つひとつ形は違うが、ぷりっとした形が魅力的だ。スパゲッティナポリタンの彩りに尻から輪切りにしてみよう。ひとつ切った後にサルっぽい顔に出くわし、そのまま切り続けると、まな板の上に花のような模様でいっぱいに。

 いつもと同じ材料だけれど、少しだけ華やいだ気がした。

■強者たちがいた!「ピーマン 切り口」で検索すると

 ツイッターで「ピーマン 切り口」で検索すると、強者がたくさんいた。ソプラノ歌手で、双子の姉妹で活動する「山田姉妹」の妹麗さんは調理中にピーマンのおばけを見つけて投稿。

 歯をむき出しにして口角を上げて怒っている表情をしていたといい、「歯(種)を取りたいのに『取るな』と言われているような気がして調理しづらかった。何とか取り出して肉詰めにしたら穏やかないつものピーマンになりました」とにっこり。ピーマン以外にも、家庭菜園で育てているナスが赤ちゃんやセクシーな女性に見えたことも。アサリの模様が富士山に見えたり、洋服の柄にしたらかわいいと考えたりと、日々の発見を楽しんでいるという。

 アニメ「らんま1/2」でシャンプー役の声優を務めた佐久間レイさんは、ピーマンの輪切り中に四つ葉のクローバーを見つけた。

「食事は体の栄養になるだけでなく、心もほかほかにしてくれるもの」と佐久間さん。四つ葉ピーマンは、そのままサラダにトッピングして食べたといい、「ピーマンにも小さな幸せは宿ってますね」と話した。

(まいどなニュース/神戸新聞・山脇 未菜美)

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