「杵屋」が”日本初”のプリン専門ECサイトを開設した理由 監修は「プリンの女王」
全国各地から厳選したプリンだけの専門EC通販サイト「ときめく!プリンお取り寄せ」が11月24日に開設され、おいしすぎると早くも話題になっている。サイトを運営するのが、うどん「杵屋」やそば「そじ坊」で知られる大手外食チェーンの「グルメ杵屋」(大阪市)というのも意外や意外。商品は「プリンの女王」磯貝由起さんがチョイスした。なぜ、こんな展開になったのか。
■外食チェーン「杵屋」がネット通販に初参入!プリンで勝負
コロナ禍による巣ごもり需要の増加で、ネット通販が大人気。これまで通販とはなじみの薄かった企業の参入も目立つ。和食や洋食を幅広く提供する大手外食チェーン「グルメ杵屋」もそのひとつ。今回、日本各地から厳選したプリンだけを販売するECサイト(電子商店街)「『ときめく!プリン』お取り寄せ」(略して「ときプリ」)をオープンさせた。
グルメ杵屋によるとスイーツ需要の高まりを察知。世代や性別を問わず人気のあるプリンをターゲットにした。「プリンの専門ECモールは他に見当たらず、日本初と考えている」と自負している。実際に評判は上々。全国のこだわりプリンが、このサイトから購入でき、しかもそのラインナップがすごすぎると注目を集めている。
■「プリンの女王」おすすめのプレミアムなプリンが登場
それもそのはず。何しろ今回の開設にあたってグルメ杵屋がECサイトの開設準備を始めたのは、今から1年前のこと。最低1日1個、毎日プリンを食べ続けて20年以上という「プリンの女王」として、スイーツ好きの間では有名な磯貝由起さんとタッグを組んだ。
磯貝さんは1万個以上のプリンを食べてきた経験から、各地の有名プリンをセレクト。また、このサイトでしか手に入らないプレミアムプリンの開発のため、お店と交渉し、試作を繰り返したという。そして、誰もが食べてみたいと思う18店舗、約70種類のプリンが出そろった。
例えば、京都で人気のカフェ&オーストラリアンバル「ムーン アンド バック」では自家製プリン、2種類をこのサイトのため特別に創作、販売している。1品目の「自家製コーヒーシロップ味」はビターで濃黒なコーヒーシロップが、やや固めさっぱり味のカスタードをひきたてる。
2品目の「キャラメルブラウンチーズシロップ味」は、ヤギの発酵チーズをシロップにしたチーズプリン。固めのカスタードに個性ある甘いシロップが印象的だった。
「うちは緊急事態宣言中にオープンしたので、どん底からのスタート。これから上げていくためにECサイトに参加しました。豆の煎り方から研究し、コーヒーの苦みをどうプリンに落とし込むか?半年がかりで完成させました」と同店のCEO、福田竜也さんは話す。
この他にも珍しいプリンはいっぱいあり、野菜がごろりと入ったかぼちゃプリン(茨城県)や、古墳の町、大阪府堺市のプリンは陶器のはにわに入っているなど特徴的。しかも取材で食した10以上のプリンは、カラメルシロップが個性的で、ベースのカスタードも似たものがひとつもないという、うれしい驚きがあった。
今後は取り扱い店舗や商品を積極的に増やしていく予定だとか。スイーツコンシェルジュの磯貝さんは「これまでプリンを1万個食べてきた中で、お店の深い思いやプリンの誕生ストーリーを多くの人に知ってほしい。目標は100店のおいしいプリンを紹介すること。人気のサイトにしていきたいです」と意気込んでいた。
(まいどなニュース特約・山中 羊子s)