紙袋で捨てられていた子猫を家族に 寝込む家族に寄り添う、優しい猫にすくすく成長
■黒い鼻の可愛い猫
まるちゃん(2歳・オス)は、兄弟3匹と一緒に紙袋に入れて捨てられていた。まだ生まれたばかりの子猫だった。たまたま通りかかった人が発見して、保護団体「多賀にゃん」が引き取り里親を募集したという。
滋賀県に住む望月さんは、最寄りの駅にいた白黒猫が人懐っこくて可愛かったので、白黒の猫を飼いたいと思っていた。周りの友人たちが保護猫を飼っていたので、殺処分される猫がいることも知っていて、飼うなら保護猫にしようと思っていたのだという。近所でやっていた譲渡会にも足を運んだが、なかなか「この子を迎えたい!」と思う猫に出会えず、ネットで猫を探した。
ある時、Facebookに掲載されていた譲渡会情報にまるちゃんが掲載されていて、望月さんは「この子だ!」と思った。「まるは鼻が黒くて、鼻の両方に黒いホクロがついていました。個性的な柄もとても可愛くて、多賀にゃんはうちから遠かったのですが、母に頼んで連れて行ってもらいました」
■家族一同でお迎え
2019年6月2日、望月さんはまるちゃんに会いに行った。小さくてスマホくらいの大きさ、体重はわずか400gだった。6月9日、望月さんとお母さん、一人暮らしをしているお姉さんがまるちゃんを迎えに行き、トライアルがスタートした。
帰路、車の中でまるちゃんはすやすやと眠っていた。家に着くと、元気に部屋の中で動き回ったり、ご飯を食べたりして、すぐに馴染んでくれた。猫をお迎えするなら、名前は「まる」にしようと思っていたのでまるちゃんになったという。
■気づけば猫のものを買っている
望月さんによると、まるちゃんは賢くて優しいそうだ。人の動きをよく見ていてドアの開け方を覚えたようで、立ち上がってドアをガチャリと開ける。家族の誰かの体調が悪いときは、様子を見に行ってそばに寄り添ってくれるという。
「姉が年末帰省して体調を崩したことがあったのですが、2階で寝ていたまるが、夜中にわざわざ姉が寝ている1階の和室に様子を見にきたと姉が話していました。何かしてくれるわけではないのですが、そばにいてくれるだけで本当に嬉しいんです」
望月さんは、まるちゃんを迎えて家族の会話が増えたという。顔を合わせるとまるちゃんの話で盛り上がる。望月さんはゲームが大好きだったが、今はそれよりも猫のことやまるちゃんのことに夢中なんだという。「自分のものを買うつもりでネット通販を見ていたはずなのに、気付けばまるの猫用品、キャットタワーやベッド、ごはんなどを買っているんです(笑)」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)