「遊んで~」もうすぐ1歳のホッキョクグマに飼育員が猛アピール 転んで肋骨痛めるハプニングも
オスのホッキョクグマを相手に、猛ダッシュ!からの床ゴロン!? ホッキョクグマの子どもと飼育員との激しい戯れぶりを映した動画が話題です。配信したのは、秋田県男鹿市にある「男鹿水族館GAO」。もちろんガラス越しなのですが、そのはじけっぷりに「めっちゃ楽しそう、特に飼育員さんが」「遊んでもらって…る?」との声が続々と。あれ?でもこれ、既視感が。そうです、昨年「プールの水抜いてみた」とこの子のお母さんグマ相手に激しく舞ったのと同じ飼育員。当時はかなりの塩対応でしたが、果たして、今回は?
■頑張りすぎて、まさかの…
ホッキョクグマの名前は「フブキ」。父・豪太と、母・ユキの間に、2020年12月26日に誕生しました。同館では真っ暗闇の産室映像を毎日のように動画配信し、日々成長する姿を多くの人が見守りました。それから1年。すっかり大きくなったフブキに必死のパフォーマンスを繰り広げた、飼育担当の田口さんに話を聞きました。
-また遊んでもらったんですね!
「閉館後に、たまにやってるんですよ。この時も、ふと『遊んでみよう』と思っていろいろやってみたらフブキが付き合ってくれました」
-転がって駄々こねるみたいな動きに一番反応してもらえたような
「とにかくフブキの興味をひこうと必死で。本当は、もっと俊敏な動きでついてきてほしかったんですが、ゆっくりでしたね。もうちょっと反応してくれるかと思ったんですが…。フブキはどんなおもちゃでもとてもよく遊んで、特に新品への反応が良いですよ」
-もっと新しい動きを待っているのかも? 相変わらずキレッキレでした
「今回は10分くらいは遊んだと思います。勝手に遊んでおいて言うのも何ですが…とても疲れました! 実は…転んで肋骨を痛めました!!」
■体重は100㎏以上に。既にオスっぽさも
-…お仕事に支障のない程度にお願いします。フブキの成長に驚いたという声が多かったです。ムチムチとか、大きすぎ?の声もあるみたいですが
「体長は120cmくらい、体重は推測ですが100kg以上かと。幼獣の適正な大きさに関する情報がないのですが、問題ないと考えています。すでにホッキョクグマのオスっぽさがあり、頭も大きいと思います。2012年に誕生したミルク(メス、現在は釧路市動物園)は1日中遊んで疲れ知らずでしたが、フブキは遊んで寝て食べて、バランスが良いですね」。
-動画の一番の注目ポイントは?
「最後に指笛を鳴らしたら、フブキが急いで裏の部屋の方に入っていったことですね。展示場を掃除するときに裏の部屋に餌をおいて一旦入ってもらうんですが、遊びに夢中で気付かないときは指笛を鳴らして呼んでいます。『指笛の音=餌』という関連付けができていることに驚きました」
「生後から今までの写真や動画を見ると、あんなに小さかった生き物がたった1年でこんなに大きくなるのかとあらためて驚きます。母親のユキには『ありがとう』と言いたいです」と田口さん。「フブキにとって外で冬を迎えるのは初めてです。雪の中で遊ぶフブキに注目です」と話してくれました。
自然界では温暖化の影響で生息数が激減しているホッキョクグマですが、きっと母グマの元で、こんな風に跳ねているアザラシを上手く捕まえる訓練をしている頃。動物園で生まれ、多くの人たちに見守られすくすく成長しているフブキは、初めての冬を経て、どんなホッキョクグマに育っていくのでしょうね。楽しみが尽きません。
(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)