2021年最高の小説はこれだ!TikTokで紹介する本が続々重版…出版業界も注目のけんごさんが「大賞」11作品を発表
動画アプリTikTokでの小説の紹介において絶大な影響力を持つけんごさんが、2021年に最も面白かった作品を決める「第1回けんご大賞」を開催。12月15日20時からの生配信で、受賞作品を発表しました。ベストオブけんご大賞には綾崎隼さんの「死にたがりの君に贈る物語」(ポプラ社)が選ばれたほか、けんご大賞9作、特別賞1作の計11作品のタイトルが明らかになりました。
TikTokのフォロワー数が27万人を超え、投稿をきっかけに重版された作品も多いというけんごさん。若い世代にも読書の楽しさを訴求するインフルエンサーであり、出版業界では「TikTok売れ」という言葉もあるほど、関係者もその功績を認める存在です。
「死にたがりの君に贈る物語」は、「熱狂的ファンを持つミステリアスな小説家の訃報から始まり、最後は大どんでん返しに驚愕し、涙する-」という青春ミステリ。今年5月に発売された後、けんごさんの紹介動画で“爆売れ”したことでも話題を集めた作品です。受賞の知らせを受け、作者の綾崎さんは「沢山の物語が溢れ、容易く埋もれてしまうこの時代に。私を知らなかった方へ、この本を届けてくれたこと。それが、決して【普通の出来事】ではないと、知っています」とコメントしています。
けんごさんは現在、諸事情あってTikTokの投稿をお休み中。来春刊行予定の小説デビュー作に向けて準備を進めているそうです。
その他の受賞作は次の通り。
【けんご大賞】
「N」道尾秀介(集英社)
「オーラの発表会」綿矢りさ(集英社)
「君の顔では泣けない」君嶋彼方(KADOKAWA)
「月曜日の抹茶カフェ」青山美智子(宝島社)
「白鳥とコウモリ」東野圭吾(幻冬舎)
「ばにらさま」山本文緒(文藝春秋)
「星を掬う」町田そのこ(中央公論新社)
「檸檬先生」珠川こおり(講談社)
「夜行秘密」カツセマサヒコ(双葉社)
【特別賞】
「白い薔薇の淵まで」中山可穂(河出書房新社)
各受賞者からは「TikTokという新しい媒体で小説を紹介し続け、多くの若者が本と出会う機会を作ってくれました」(君嶋彼方さん)、「まったく違うメディアがこうして一つになれるのは嬉しいことです」(道尾秀介さん)など、これまでにない形で作品が広がったことに対する喜びと感動のコメントが寄せられています。
◇ ◇
なお12月16日から各書店の店頭では「けんご大賞」のフェアがスタート。同22日発売の「小説現代」2022年1・2月合併号(講談社)では、大賞の詳細が掲載されます。同日16時から18時には、紀伊國屋書店新宿本店にて記念イベントも開催。対象書籍を購入した人は抽選でけんごさんから直接プレゼントが渡されるそうです。