中央分離帯の植木の上で鳴いていた子猫 美猫に成長、飼い主の膝の上がお気に入り
■中央分離帯の植木に猫が!
日向ちゃんは、2019年7月、たまたま通りかかった夫婦に保護された。愛知県に住む村上さん夫妻は、外食を後、店を出て歩いていた。すると子猫の大きな鳴き声が聞こえた。まるで助けを求めているようにニャアニャア大きな声で鳴いていた。
道を挟んで向かいの駐車場から聞こえた気がしたので探してみたが、どこにも見当たらない。夫が「中央分離帯の植木の方から聞こえる」と言うので探しに行ってもらうと、猫がいた。ただ、植木の上の方にいて、捕まえようとすると抵抗した。それでも夫がなんとか捕獲、保護できたという。
■飢えの記憶
ノミがいっぱいついていたが、動物病院も閉まっていたのでひとまず家に連れて帰ってミルクを与えた。日向ちゃんは鳴きながら一生懸命飲んだ。
「その鳴き声が、なんだか『うまい、うまい』と言っているようにしか聞こえませんでした(笑)」
後日、獣医師に診せると、保護した1カ月ほど前に生まれたようだった。野良猫だったので、飢えた経験がそうさせるのか、家に来たばかりの頃は、キッチンの三角コーナーのゴミを漁って食べることもあった。
村上さんは先住猫のジェイドくんを飼っているので、猫のことに詳しかった。「子猫の時の食事は、その後の健康に関わるので重要なんです。食事の内容や歯の生え変わりとかにも気を配っていました。子猫が必ず大人猫になれるとは限らず、注意しながら育てたので、あっという間に一年が過ぎました」
■ママ大好き
2歳になり、もう三角コーナーのゴミを漁ることも無くなった日向ちゃん、すっかり美猫に成長した。村上さんは、毎日美味しそうにご飯を食べている姿を見られるのが嬉しいという。レスキューしたのは夫だが、日向ちゃんはママが大好き。遊び疲れると、いつもママの膝の上に乗って丸まり、安心しきって眠っている。「ゴロゴロ言って気持ちよさそうなんですが、それが興奮に変わると噛まれることがあるんです」。先住猫のジェイドくんとはよくじゃれあい、2匹お団子状態になって突っ走るので、村上さんは時々突き飛ばされるそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)