倉庫に捨てられた子猫は片目を失明…「ハンディのある子を」と優しい夫婦の家で、いたずらっ子に成長

今年8月初旬、猫の保護活動をしているAさんが働いている職場の倉庫に捨てられていた1匹の子猫を見つけ保護しました。当時、右目が白く濁っていて半分しか開いていなかったという子猫。すぐにAさんはかかりつけの動物病院に連れて行きました。獣医師さんからは、感染症が原因で子猫の右目は失明していると診断。「もう少し早ければ失明しなかったかもしれない」と言われました。さらに、「このまま悪化すれば眼球を摘出した方がいい」と宣告されたといいます。

■里親探しのサイトで優しい里親夫婦との運命の出会い

その日は、目薬や飲み薬をもらい病院から自宅に子猫を連れ帰ったAさん。しかし、猫を飼えない借家に住んでいたため、同じ保護活動の仲間であるBさんにしばらく預かってもらうことに。ただ、Bさんも既に猫を数匹飼っており、住んでいたマンションは飼育数が決まっていたことから、このまま預かることも難しくなりました。そこで、急きょ動物病院や里親探しのサイトなどを通じて子猫の里親を募集。里親探しを始めたのですが、右目が見えないというハンディを持つ子猫。なかなか引き取ってくれる人が見つからず・・・そんなとき、サイトで子猫を見たという女性からBさんのところに問い合わせが入りました。

「我が家には先住猫が4匹いるのですが、みんな手がかからなくなってきていたので最後の5匹目はハンディのある猫を飼おうかなと漠然と考えながら里親探しのサイトを見ていました。たまたま目に入ったのが、右目の見えない子猫。とてもこの子のことが気になって問い合わせをしたんです」(女性)

女性は子猫に会いに行くため旦那さんと一緒に、Bさんのところに足を運びました。子猫は2人を見ると、初めて会うというのに女性の膝の上に座り甘えてきたそうです。さらに、旦那さんの膝の上にも乗っかって甘えたといいます。すっかり子猫にメロメロになった2人。帰宅して数日後、子猫を引き取ることをBさんに伝えました。「右目が見えないハンディはありますが、私たちが子猫を大切に育てていこうと決めました」女性の心強い言葉にBさんは泣きながら喜んだそうです。

■先住猫4匹は全て女の子 黒一点となった

子猫を引き取ることになった女性は、宮城県内に住む「ゆう&ニャン5ママ」さん。子猫を「ボナ」(雄)と名付けました。先住猫4匹はみんな女の子ばかりで、“黒一点”となったボナくん。初対面のとき、先住猫たちはボナくんに向かって激しくシャーシャーと怒っていたといいます。

「“女所帯”に男子が入ってきたからか、先住猫たちは少しお怒りでした。これまでの静かな生活が一転してしまい、私自身も戸惑う日が続いたのですが・・・夫からは『先住猫たちも初めて来たときは先にいた猫から威嚇されていたから。そのうち収まるよ』と言われて、しばらく見守りました。夫の言葉通り、先住猫のシャーはしだいに収まってきて。そのうち一緒に遊んだり、中には面倒を見てくれたりする猫も出てきました。おそらくボナは寂しがり屋さんなので、自分から先住猫たちに寄り添って行ったのが良かったのかなと思います」

こうして先住猫4匹全員がボナくんを受け入れたのは、おうちに迎えてから1カ月後のことでした。

■シャーと威嚇された先住猫たちとも今では仲良し やんちゃな男の子に

そして、「悪化すれば眼球を摘出をした方がいい」と言われていたボナくんの右目。引き取る直前、右目が化膿するなど症状が悪化することもあったそうですが、今は症状も落ち着いているといいます。さらに、ガリガリにやせ細っていた保護当時の体重から1キロほど増えたとか。先住猫や「ゆう&ニャン5ママ」さんたちを困らせるくらい、やんちゃに成長しているそうです。

「とにかく、いたずらと食欲がすごいです!私が仕事から帰って来ると、いつも部屋は荒れていますし流しの蓋は外されています。人がいない隙を見つけると必ずキッチンに上がっているようなので、何も置けなくなってしまいましたね。また、飾ってあるぬいぐるみも全てかみちぎってしまってボロボロに。食欲も旺盛なので猫たちの餌が減るスピードとトイレの砂を変えるスピードが2倍になりました・・・少し落ち着いてくれると助かりますね(笑)」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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