「図書館で借りた本、壊れても直さないで」 司書からのお願いが話題に「そのままの方がありがたい」
図書館で借りた本が壊れても自分で直さないでほしいという図書館司書からのお願いがSNS上で大きな注目を集めている。
「以下、司書さんからのお願い。
図書館で借りた本が壊れても『ぜーったいお家で直さないで』図書館に持ってきてください。セロテープなどを使われますと、本も痛みますしテープ部分が変色するんです。
司書はプロです。職員はもちろん怒りません。むしろそのままの方がありがたいです。広がって!」
件のお願いは病院で司書として勤務するなーちゃんさんが公開範囲を制限して投稿したものを知人のあずーるさん(@Anazuresky2)が転載して多くの人に広がった。
たしかにセロハンテープは紙を痛め、変色の原因にもなる。本の扱いはプロである司書にまかせてほしいというなーちゃんさんのお願いに、SNSユーザー達からは
「よく分かります!私は小学校の図書室整備ボラの者です。人気のある本は傷みが早いですが、いつも専用品で補修しています。たまにセロテープで直されてる本がありますが、セロテープを綺麗に剥がして…と手間がかかるので、毎年初に図書室からのお願いとして全児童にプリント配布しています(^-^)」
「あと、一時的にでも、付箋(ポストイット登録商標マーク)を貼るのも止めてほしいです。
剥がした直後は見えなくても、貼ったところに粘着剤が残るので、後々、経年劣化して、変色して痕が残るんです」
「中の人です。テープで自己流補修もですが、お風呂で読まない、動物や乳幼児の側で読まない・置かない、食事しながら読まないをぜひ守ってください。なお、単なる雨に少し濡らしたなどの場合は状況次第では修復させられますので無理に乾かさず持参してください。ドライヤーは厳禁です。」
など数々の共感のコメントが寄せられている。
なーちゃんさんにお話をうかがってみた。
--壊れた本をセルフ修理して返却してしまう方は多いのでしょうか?
なーちゃん:私は公共図書館からは長らく離れておりますが、勤めていた当時、自力で修復された方はそれなりにいらっしゃいました。
--この他にも本の扱い方で困ったことはありましたか?
なーちゃん:本に付箋を貼ったまま返却される方、本に貴重品を挟まれてそのまま返却される方、本に書き込みをされる方がいました。他にも本に強い匂いがついていて困ったことがあります。
--今回のSNSの反響へのご感想をお聞かせください
なーちゃん:私は鍵付きアカウントなのでまさか転載していただけるとは思わず、あずーる様からご連絡をいただいたときは驚きのあまりリアクションがとれませんでした。しかしながら、皆さんに少しでもお役に立つ情報が広がったのは嬉しく思います。
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図書館を取り囲む環境について「図書館は知識の宝庫であり、司書は図書館にある資料を用いて情報を検索するプロでもあります。非正規雇用が大半の司書ですが、日々頑張っておりますので、ルールを守って街の図書館を有効に使っていただきつつ、年々苦しくなる出版業界にも目を向けていただければと思います」となーちゃんさん。正しい利用方法を守り、図書館という施設を有効利用してくれる図書館ユーザーが少しでも増えてくれることを願いたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)