「ベビーチーズ」で、妊娠中でも食べられる「似せ」寿司を!? 本物と見間違う完成度…六甲バターがレシピ公表
世の中の妊婦さんたちが「お寿司を食べられない」のをご存知だろうか。赤ちゃんへの影響を考え、食中毒を予防するため、加熱していない食品は避けたほうが良いとされている。ただ、年末年始や記念日などのご馳走にお寿司はつきもの。何とか我慢せず楽しんでもらえないか…との思いから、チーズの製造販売などを手がける六甲バター株式会社が、チーズを使った「似せ」寿司レシピを紹介している。
妊娠が分かった時から、赤ちゃんのため食事に気をつけることが求められる妊婦さん。アルコールやカフェインといった嗜好品だけでなく、刺身や生卵、生ハム、スモークサーモン、ナチュラルチーズといった「生もの」「非加熱食品」は、避けるようにと言われている。
六甲バターはQBBのブランド名で、プロセスチーズを食べやすいサイズと形状にしたベビーチーズなどを販売している。プロセスチーズは加熱処理されているため妊婦さんが食べても問題なく、特に鉄分や葉酸を強化して配合した「QBBベビーチーズ チーズDE鉄分」という商品は、世間の妊婦さんから「栄養補給に役立った」「つわりで食欲がない時、少しつまむのに最適」と人気があったという。
実際に出産を経験した社員も「妊娠中って食の楽しみが減っていく中、辛いつわりで心身ともにボロボロの時にベビーチーズがおいしいと思えた」「周りの妊婦さんが食べていると知って手軽に栄養補給ができることに気づいた」などとベビーチーズの特性を実感したという。そこで、「QBBベビーチーズfor mom」といった名前のプロジェクトを立ち上げ、情報発信に取り組んできたという。
同社は活動を通して、「寿司・刺身が妊娠中に食べられなくて辛い(育児中ママにとっては辛かった)」という声が多いことを知ったという。また、妊娠したので「ニセ寿司を握った」妊婦さんの体験記や、妊婦さんでも食べられる「加熱寿司」を企画開発したママの活動を知り、妊婦さんによく食べられている「ベビーチーズ」を使った「「似せ」寿司」作りを始めたという。
社内で試行錯誤を繰り返し構想から2カ月、最初の試作品が完成。チーズにトマトソースをかけた「マグロ」、味噌漬けにしたチーズを軍艦にした「ウニ」、アジア料理の生春巻きなどで使うライスペーパーで見た目を近づけた「イカ」を作成した。しかし、より高いクオリティを求め、神戸の人気料理店「路地裏スタンド アベック」の店長・西川伸さんに試作を依頼。真の「似せ」寿司作りが実現したという。
仕込みに3週間かけて作りられた「似せ」寿司は、極上の完成度。滑らかな口溶け、濃厚な旨味がおいしそうな「ウニ」、醤油漬けの卵をイクラに見立て、味噌漬けのチーズを炙った「イクラ」、ホタテの風味を限りなく再現させた「ホタテ」。他にも「トロたく」「イカ」も試作したという。
本物と見間違いそうなほどの仕上がりの寿司には、料理人ならではのアイデアが随所に。味噌漬けチーズをクチナシの色出しをした水につけることでウニの色味と柔らかい食感に近づけたり、白粗味噌漬けのチーズと隠し味にチーズデザートを使ってホタテの淡白さや爽やかさを表現したりしているという。家庭でも参考にできそうなことから、レシピは同プロジェクトの「妊婦さんを応援するnote」で公開中。妊婦さんたちからは「嬉しい記事」「妊娠中です。イクラ食べたい」といった声が届いているそうだ。
(まいどなニュース特約・上野 明子)