ローソンのロゴ「これってミルク缶だったのか!」と話題 なぜ牛乳? 歴史は1930年代にまでさかのぼる
大手コンビニストア「ローソン」(本社、東京都品川区)のロゴマークが今、注目を集めています。同社のロゴといえば、水色の背景にLAWSONとSTATIONの文字。中央には牧場で使われるようなミルク缶がデザインされています。年末年始に行われた同社キャンペーンをきっかけにTwitter上では「これってミルク缶だったのか!」「確かによく見たらミルク缶だ」と話題に。ローソンとミルク缶のつながりを調べました。
■ポスターにも「牛乳屋から始まった」
同社は2021年12月31日と2022年元日の2日間、レジカウンターで提供するマチカフェメニューの「ホットミルク」を標準価格130円の半額の65円で販売しました。
同社では値下げの理由を「ミルク缶マークを掲げるローソンとして、牛乳の消費量が減少する年末年始に消費拡大を応援したい」と説明。店頭ポスターにも「牛乳屋から始まった“ローソンだから”」のコピーがあったことから、Twitterユーザーからは「えっ、ローソンって牛乳屋だったの?」「ルーツは牛乳屋さん?」「知らなかった」「初めて知った」など驚きの声が上がりました。
■アメリカで評判の牛乳店「ローソンさんの牛乳屋さん」
同社広報担当者によると、社名とミルク缶のマークは、1930年代にアメリカ・オハイオ州でJ.J.ローソンさんが開いた牛乳店「ローソンさんの牛乳屋さん」が由来でした。
当時、ローソンさんのお店の牛乳は「新鮮でおいしい」と評判が広がり、毎朝多くの人が買いに訪れる人気店でした。やがてローソンさんはローソンミルク社を設立し、アメリカ北東部を中心に日用品なども扱う店舗をチェーン展開。1959年にはアメリカの食品業界大手コンソリデーテッド・フーズ社の傘下に入り、コンビニエンスストアの運営システムを確立します。
そしていよいよ、アメリカの「ローソンさんの牛乳屋さん」と日本のコンビニがつながります。
神戸や大阪を中心にスーパーを展開していたダイエーは1974年12月、コンソリデーテッドフーズ社とコンサルティング契約を締結。1975年4月にダイエーローソン株式会社を設立し、ローソンの親会社になります。
同年6月14日、ローソンミルク社のノウハウを生かし、ローソン1号店「ローソン桜塚店」(大阪府豊中市)がオープン。当時の1号店はアメリカンテイストが売り物だったらしく「店内はパーティーフーズを品ぞろえし、現在のローソンとは雰囲気の異なるお店でした」。
同年9月にはフランチャイズ1号店「ローソン桃山店」(豊中市)が開店。「本格的なフランチャイズチェーン展開の幕開けとなりました」(同社)。
■オリジナル商品第1号も「牛乳」
ロゴのミルク缶の下にある「STATION」にはどんな思いが込められているのでしょうか。
「この看板になる前は『STATION』の箇所が『FOOD STORE』だったのですが、ローソンが単に便利なストアではなく、お客様の拠点、いろいろなお客様が集まる場所という意味でステーションでありたいという願いを込めています」(同社広報担当者)
ちなみにローソンのオリジナル商品第1号は1975年6月発売の「ローソン無調整牛乳」。また、コロナ禍の2020年3月には全国での一斉休校を受け、牛乳の消費支援を目的にホットミルク半額販売を実施。12日間で150万杯を売り上げました。これらのエピソードからもローソンと牛乳との強い絆を感じます。
現在では14000店舗を超える大手コンビニチェーンに成長しましたが、「ローソンさんの牛乳屋さん」の精神はロゴマークとともにしっかりと刻まれているようです。
(まいどなニュース・金井 かおる)