姿を消した母子の野良猫 「せめてこの子だけでも」唯一残った子猫を保護 一度は脱走するも再び家族の元へ

■ゴミを漁っていた白猫

まげちゃん(7歳・オス) は、野良の白猫が産んだ子猫だった。

2014年10月、神奈川県に住む前畑さんは、近所で白い野良猫を見かけるようになった。猫が好きで、特に白猫は子供の頃飼っていたので大好きだった。近くのゴミ捨て場でゴミを漁っているのを何度も見て、放っておけず、毎日玄関でごはんをあげたという。

「警戒心の強い猫で、少しでも私が動くと逃げてしまいました。慣れてくれたら飼いたい、うちの子になってほしいと思ったのですが、なかなかうまくいきませんでした」

■「外に出して~」と鳴く子

その猫は急に姿を見せなくなり、前畑さんは、どうしたのかとずっと心配をしていた。白猫は、2、3か月ほど経つと、2匹の子猫を連れて前畑さんの家の玄関に来た。

「それから3匹でごはんを食べに来るようになったんです。寒かったのですが、警戒心が強く、すぐ逃げてしまうので、いつも玄関を少し開けてごはんをあげていました。かわいくて、かわいくて、家に帰るのが楽しみになりました」

前畑さんは、「親子で慣れてもらおう。3匹飼おう」と思っていた。それから、しかし、再び母猫と1匹の子猫が来なくなった。残る1匹の子猫は毎日来て、お腹を出してごろんごろんするようになった。前畑さんは、「せっかく慣れてきたのに、また来なくなっては困る」と思い、家に閉じ込めた。その子がまげちゃんだった。

■猫を飼って幸せ

前畑家の子になったまげちゃん。この頃、テレビで「にゃんまげ(テーマパークのマスコットキャラクター)」が話題になっていたので、夫が「まげ」と名付けたそうだ。

まげちゃんは、外ではお腹を出したり撫でさせたりしてくれたが、家に閉じ込めると「外に出してほしい」と、窓から外を眺めてニャーニャー鳴いて、玄関でいつも脱走する隙を狙っていた。

「一度、脱走しました。心配で仕方なかったです。でも、夕方には帰って来ました。インスタでアドバイスをいただき、翌日から首輪を付けました」

まげちゃんは、のんびり穏やかで優しい子だが、家の中で警備をしていて、野良の雄猫を見た時だけ、唸って怒る。

まげちゃんを迎えて、家にある物や持ち物は猫グッズばかりになり、猫友が増えた。夫との会話やLINEも以前より増えて、毎日が幸せなんだという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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