兄猫と離ればなれになった子猫 寂しくて声が枯れるほど鳴いたが、新しい家族に初日からゴロゴロ
■ミルクボランティアの手を離れて
ナラちゃん(1歳3ヶ月・メス)は、2020年9月頃に生まれ、兄猫と一緒に和歌山県の愛護センターに保護された。その後、ミルクボランティアが育てていたが、ドライフードを食べられるようになったので、2020年11月26日、和歌山県の愛護センターに戻ってきたという。
■この子に決めた!
和歌山県に住む雑賀さんは、 トイプードルのベルちゃんと暮らしていた。
家族全員動物好きで、日頃から「猫ちゃんも飼いたいね」と話していたという。ブリーダーを探したり、保護猫情報を見たりしていたのだが、お母さんが県の愛護センターのホームページでナラちゃんを見つけた。この時、2匹か兄妹だということを知らなかったが、一家は可愛らしい2匹に釘付けになったという。
12月13日、お母さんは愛護センターの講習会に参加。受講後、猫を見せてもらうと、隠れて出てこない猫もいた。しかし、目当てのナラちゃんは、すぐに出てきてくれて、抱っこすることができた。お母さんはナラちゃんを抱いた時ピピッときて、「この子を家族にする」と決心したという。兄猫は既に里親が決まっていて、もらわれていったそうだ。お母さんがナラちゃん連れて帰る時、車の中でナラちゃんは鳴き続けていたという。
「今までずっと兄猫と一緒にいたので、寂しくて不安だったのだと思います」
■初日から警戒心ゼロ、甘えん坊の子猫
鳴き過ぎてすっかり声が枯れてしまったナラちゃん。しかし、愛護センターの人に聞いていた通り、初めからとても人懐っこく、膝の上に乗ってきたり、隣に寝転がりにきたり、ふみふみゴロゴロと甘えてきたり、とても可愛かったという。
先住犬のベルちゃんは、他の犬に一度も吠えたことがなく、穏やかな性格なので、猫を迎えてもあまり問題ないと思っていたが、最初の頃はケージ越しに会わせていた。ベルちゃんはナラちゃんに興味津々。クンクン匂いを嗅いでいたという。
ナラちゃんと一緒に保護された兄猫は、ライオンの赤ちゃんのようにもふもふしていた。
「ディズニーの ライオンキンクに登場する『シンバ』に似ているなあと思いました。物語の中のシンバには小さい頃から一緒に育った相棒『ナラ』がいます。その話を思い出して、『ナラ』と名付けました。また、『ナラ』という言葉にはスワヒリ語で『ギフト(贈り物)』や『幸運』という意味もあります。幸せにするよ、幸せになろうね、という願いを込めています」
■家族全員メロメロに
ナラちゃんは優しくて、雑賀さんは、シャーを一度も聞いたことがない。後から来たテトちゃんを初日からペロペロ舐めて、すぐに受け入れてくれた。おもちゃもごはんもテトちゃんに譲って、自分は後からということか多い。ただ、チュールだけは譲らないそううだ(笑)。
ナラちゃんはマイペースで、ベルちゃんとテトちゃんが追いかけっこをしたり、パンチし合って遊んでいても気乗りしない時は輪に入らない。2匹が走り回って運動会をしていても、ナラちゃんだけこたつの中ですやすや寝ていることもあるという。
雑賀さんは落ち込むことかあっても、ナラちゃんたちを見ると気持ちが落ち着いて穏やかな気分になれるという。
「母は仕事か終わると一刻も早りたい、スーパーに寄り道している場合じゃない、という感じで、最近は買いだめするようになりました。父も、職場の人に猫たちの写真を見せて自慢しているようです。 家族みんな可愛さにメロメロで、携帯の写真フォルダはパンパンです」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)