母猫や兄弟とベランダ暮らしをしていた子猫たちを迎えて しっかりもののお姉ちゃんと甘えん坊の弟に
あずきちゃん(生後5カ月・メス)ときなこちゃん(生後5カ月・オス)は、2021年4月、大阪の保護団体によって保護された。「マンションのベランダで子猫の声がする」と近隣住民から連絡があり、駆け付けると母猫と6匹の子猫がいたという。母猫も大人しかったので、みんな一緒に保護したそうだ。
大阪府に住む中辻さんは、夫婦ともに動物が好きで何かペットを飼いたいとずっと話していた。一軒家に引っ越したのを機に真剣に何を飼うか話し合いをした。
「私は実家で犬を飼っているんですが、お互いにシフト制で働いていて、夫は泊まり勤務も月に数回あるため、犬は難しいということになりました。最終的に鳥にするか猫にするか悩みましたが、周りに猫を飼っている人が多かったので、話を聞ける機会がたくさんありました。多頭飼い(できたら兄弟で)すると、共働きでも飼いやすいと聞いたので、猫を飼ってみることにしたのです」
最初、SNSで奈良県に保護団体があることを知ったが、大阪にもあるのではないかと調べたところ、あずきちゃんたちを保護していた団体に行き当たった。
7月、譲渡会に行くと、あずきちゃんときなこちゃんがいた。生後3カ月ほどで、「ちっちゃくてかわいい!」と思ったという。
「同じ月齢の他の兄弟猫もいたのですが、その子たちは交通事故で母猫を亡くしたため、ミルクボランティアさんがミルクを与えて育てた子たちでした。初めて猫を飼うなら母乳で育った子のようが安心だと思うというアドバイスを受け、あずきときなこを選びました」
他の4匹も、それぞれ2匹ずつ各家庭に迎えられていた。中辻さんは、「うちも絶対2匹ともお迎えしたい!」と改めて思ったという。
■すぐになじむ
あずきちゃんときなこちゃんは、子猫の頃から母乳で育っているので、「みんなしっかり大きくなる!」と、保護団体の人が言っていた。
家に来くると、いつもと違う場所や中辻さんたちの足音にびっくりして、ベッドの奥やソファの奥に隠れていたが、その日のうちに夫妻には慣れた。
「きなこだけがなかなかごはんを食べてくれなかったり、おしっこをしなかったりして心配しました。でも、その日の晩にはおしっこをして、ごはんも食べたので、すごく安心しました」
保護団体で、「そらちゃん」、「よもぎちゃん」という名前で呼ばれていた。そのままでも十分可愛かったが、せっかくなら自分たちで考えて名付けたいと考え直した。「よもぎちゃん」という和の名前が気に入ったので、キジトラの茶色を少し意識して、「あずきちゃん」と「きなこちゃん」にしたそうだ。語感の良さも決め手になった。
■我が子のように愛おしい
きなこちゃんは甘えん坊で怖がり、イタズラっ子でもある。あずきちゃんがそばにいないと鳴いていたり、構ってほしくて呼び鳴きしたりする。
あずきちゃんは、新しいおもちゃや見たことのない物があると、ガンガン近づいて来る。そんなあずきちゃんの様子を見ながら、きなこちゃんが近づいてくる。
「あずきはきなこに比べるとひとりでもへっちゃら、よくぬいぐるみを持ち歩いて、ひとり遊びをしています。でも、実は寂しがり屋で、ひとりで遊んでいたのに急に、『なんできなこおらんの!?』と言わんばかりに鳴きます」
中辻さんが仕事前に「行ってきます」と猫たちに声をかけに行くと、寂しがり屋のきなこちゃんはすりよってくるが、あずきちゃんはさっさとお気に入りの場所で寝始める。
中辻夫妻は、あずきちゃんときなこちゃんに日々に癒されているという。
「夫が泊まり勤務のある仕事をしているので一人になることがあるのですが、猫たちがいるので寂しい時間が少なくなりました。子どもがいないので、本当に我が子のように愛しいです」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)