段ボールの中にいた生後間もない子猫 よじ登った網戸から降りれないいたずらっ子は家族の主役に
■段ボールに入れて捨てられていた子猫たち
いくらちゃん(5歳・オス)は、静岡県にある高校の近くで段ンボールに入れて捨てられていた。2016年5月、静岡県に住む猿渡さんのいとこが4匹の子猫を発見して保護したという。
子猫たちはみんな元気で、みんなでよく遊んでいた。イクラちゃんはマイペースだったのでご飯を食べるのも遅くいつも一番最後にのそのそと食べた。1匹はすぐに里親が決まり、残る3匹の里親を探すことになった。
猿渡さんも1匹迎えたいと思っていたのだが、子供の頃猫を飼っていたのだが、その猫が長毛だったので次に飼う猫も長毛がいいと思っていた。
「もふもふの毛を撫でたり顔を埋めたりしたかったのです。一匹だけ長毛の子がいたので、すぐにその子に決めました。その子がいくらです」
祖父の家で2匹猫を飼っていたのだが、みんな野良猫や捨て猫を保護したり、知り合いにもらったりした猫だったので、保護猫を飼うというのは自然な成り行きだった。「かわいそうな猫を減らしたい、助けたい」という気持ちもあった。どうしてもいくらちゃんがいいと思っていた猿渡さんは、他の里親希望者が現れる前に急いでいくらちゃんを迎えに行った。
■マイペースの甘えん坊
いくらちゃんは猿渡さんの家に来ても動じることなく、マイペースでのんびりしていた。猿渡さんが好きな食べ物の名前にしようと思っていたので、海鮮丼から「いくら」という名前になったという。
「珍しい名前で3文字が呼びやすいと思っていたので、可愛いし、ぴったりだと思いました」
いくらちゃんはとにかく甘えん坊で、いつも猿渡さんや家族の近くにいるという。
「テレビを見ていてもご飯を食べていても、いつも膝の上やテーブルの上にいるんです。寝る時もベッドで一緒に寝ています」
今は、大人猫になったのでいたずらしないが、子猫の時は次々といろいろやらかしてくれた。一番印象に残っているのは網戸によじ登ったことだという。
「登ったはいいけれど一番上まで行ったら降りられなくなって私たちが降ろしてあげたんです。でも性懲りもなくまた登るので 本当に困りましたが、大きくなるにつれてしなくなりました」
■親バカだけど、可愛くてしょうがない
可愛いいくらちゃんだが、わがままな面もある。
「感情がとても分かりやすい子なので、怒っているなとか機嫌がいいなというのがよくわかります。怒っていると甘噛みしたり、猫パンチをしてきたりします」
「いくら」と名前を呼ぶと必ず返事をしてくれる。「行ってきます」や「おはよう」、「おやすみ」という挨拶も理解しているようだ。おやつをあげる時におすわりさせたら、「おすわり」も覚えたそうだ。
いくらちゃんを迎えてから、家族の会話の主役はいくらちゃんになった。今では3匹の保護猫と暮らしている猿渡さん。毎日、「うちの子達は何でこんなに可愛いの!」と親バカ発言を連発しているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)