電子レンジが嫌いな台湾人、主流は国民的家電「電鍋」 コンビニ天国なのに…店内での温めはどうしてる?
「電子レンジは危険だから使わないほうがいいよ!」ーー台湾に住み始めて間もない頃、台湾人に言われてびっくりした言葉です。当時勤めていたオフィスの電子レンジでお弁当を温めようとしたところ、仲良しだった清掃スタッフさんに言われました。その後の台湾生活でも「電子レンジは危険」というセリフは何度となく聞くことになります。
「家に電子レンジがない」という台湾の友人たちが使っているのは「電鍋(ディエングオ)」。日本人になじみのない「電鍋」って一体、何なん!? 何がそんなすごいん? と思い調べてみました。
■「台湾=コンビニ天国」店内に電子レンジは?
電子レンジの所有率は、日本の97%に対し、台湾ではたったの42%(Shipeee Taiwan inc. 調べ、2017年データ)。筆者も友人10人に同じ質問をしたところ、3人が持っていませんでした。持っていない理由としては「体に良くない」「電鍋で同じことができるから必要ない」「電鍋で加熱した方がおいしい」とのこと。
全ての街角にコンビニがあると言っても過言ではないコンビニ天国の台湾。店内で食品を温めてもらうのは…なんと電子レンジです。コンビニで使うのはいいのかを聞いたところ「家が安全なので気にしない」とのことでした。中には「どうしても電子レンジを使う必要がある場合は、近所のコンビニで使わせてもらう」というツワモノもいました。
■「電鍋」現地での使い方を聞いてみた
「電鍋」とはその名の通り、電気を使用する鍋のこと。コンロがいらず、鍋から直接コードが出ています。外鍋と内鍋があり、外鍋の方に水を入れてスイッチをオンにし、水がなくなれば勝手に電源が切れるという仕組み。加熱時間は水を入れる量で調整できます。そして「大同」という会社のものが一番出回っているので、電鍋=大同電鍋と定着しており、ほぼ固有名詞にもなっています。
筆者は2013年から台湾に住んでいますが、電鍋は持っていません。興味はありますが、炊飯器と電子レンジ、オーブンを所有しており、キッチンが狭くて置く場所がないため買っていません。しかしまわりの台湾人の友人たちは皆、本当に愛用しているので、今回は友人10人に電鍋の魅力を聞いてみました。
Q:電鍋の使いみちは?
A:「米を炊く」「肉まんや粽を蒸す」「魚、お肉、野菜を蒸してヘルシー料理を作る」「スープやカレーを煮込む」「ゆで卵を(蒸して)作る」「おしるこのような温かい台湾伝統デザートを作る」
Q:電鍋のいいところは?
A:「勝手にスイッチが切れるので、オンにしたまま子どもと遊んだり買い物に行ったりする間に料理ができる」「肉まんなどがとにかくふわふわに仕上がる」「安全」
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台湾は外食文化で、ひとり暮らし用の小さいアパートではキッチンがない部屋がほとんどです。コンロすらない家も多いため、電鍋が1つあれば温める以外にも電子レンジでは難しいお米を炊くことやスープを作ることができます。文化や住宅事情からオールマイティな電鍋を選ぶ人が多いのではないかと考えます。
「台湾人留学生はみんな電鍋をかかえて持っていく」とまでいわれる台湾の国民的家電。最近では日本でも購入できるようになり、少しトレンドにもなっているようです。気になる方はぜひ電鍋デビューしてみてはいかがでしょうか。
(まいどなニュース特約・Coco)