猫アレルギーだけど…「この子たちを幸せにしたい」と2匹の保護猫を引き取る 夫婦の会話も弾み、猫の存在に癒やされる毎日

■野良の子猫

すずちゃん(生後6カ月・メス)とぎんちゃん(生後6カ月・オス)は野良猫だったが、2021年6月、別々の場所で保護団体に保護され、同じ預かりボランティアのところに来た。

神奈川県に住むWさんは、夫婦ともに猫が好きで、よく猫カフェに遊びに行っていた。その猫カフェでは保護猫たちが楽しそうに遊んでいて、夫妻は「この子たちを幸せにしたい。飼うなら保護猫にしよう」と決めていた。

義母とすずちゃん、ぎんちゃんの預かりボランティアが知り合いだったので、そのツテで紹介されたという。

「すずの写真を見た時に、あまりの可愛さに一目惚れしてしまいました。保護されたばかりなのにとてもリラックスしていて、度胸がある感じがいいなと思いました。鼻のホクロや背中に少しだけ生えている白い毛も可愛らしかったんです」

■1匹だけのつもりが

7月29日、お見合いのためにすずちゃんに会いに行くと、元気に走り回っていた。

「写真よりずっと可愛くて、少し警戒しながらも抱っこさせてくれて、人懐こい子でした。やはりこの子を引き取りたいと強く思いました」

ぎんちゃんは、写真で見ると、いつもケージの隅にいて怯えているようだった。困り顔が可愛くて、写真でも分かるくらい綺麗な毛並みをしているのが魅力的だった。Wさんは、ぎんちゃんのこともとても気になったが、すずちゃんだけを引き取るつもりでいた。しかし、ボランティアのところでぎんちゃんに会った時、ビビッときた。

「おっとりしていて警戒心は強かったのですが、抱っこをした時に喉をゴロゴロ鳴らしてくれたのがとても可愛かったんです。すずと一緒に楽しそうに遊んでいたので、2匹一緒に引き取ることに決めました」

■肝のすわった猫と臆病な猫

8月1日、保護団体の人と預かりボランティアが、2匹を家に連れてきてくれた。2匹とも少し警戒していたが、威嚇することはなかった。すずちゃんはケージの中に用意したベッドでのんびりしたり、おもちゃで遊んだりしてリラックスしていた。

「それにはボランティアさんもびっくりしていて、やはりこの子は度胸があると思いました」

クルル…という特徴のある鳴き声で甘えられると、Wさんはどんなに忙しくてもついついかまってしまうという。

ぎんちゃんはおもちゃには興味があるが、すずちゃんが遊んでいるのを遠くから遠慮がちに見ていたり、隙間を探して隠れたりしていた。

「家に来てからしばらくはそんな感じで、近くに行くと逃げたり隠れたりしてしまいました。とても大人しくて心配になりました。日が経つにつれて活発になっていき、今では大きな鳴き声でしつこいくらい甘えてきます」

家に慣れてもぎんちゃんは臆病で寂しがり屋。掃除機や少しの物音でびっくりしてソファの下などに潜ってしまう。ツンデレな性格で、撫でても気が向かないと嫌がるが、勝手がいい時は「撫でて」と大声で鳴くそうだ。

■猫アレルギー

Wさんは猫を迎える前から猫アレルギーであることを自覚していた。それでも猫を飼うことに迷いはなかったという。2匹を迎え入れた当初は、症状がひどくなることもあり、薬を飲みながら生活していた。

「すずとぎんが大好きなのになんで…と落ち込みました。様々な対策をしたおかげでその後はかなり改善され、今では薬を飲むこともほとんどありません。アレルギー症状を気にせずに、猫たちと触れ合うことができる毎日がとても幸せです」

夫は仕事が忙しく、毎日帰りが遅いのでストレスがたまることも多いようだが、帰ったらすずとぎんが待っていて甘えてくれるので、とても癒やされているそうだ。

「夫婦間の会話も前より弾みます。猫に話しかけることが多いので、ひとりごとが増えました(笑)」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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