受験生のあなたへ 行きと帰りで異なるメッセージが泣ける 話題の明治Rー1広告、担当者に聞いた
新型コロナウイルス禍に直撃された2年目の受験シーズン。大学入学共通テストの会場に近い東京メトロ南北線の東大前駅(東京都文京区)に、食品大手の明治が掲出した広告が話題になりました。行きと帰りで見えてくるメッセージが異なるという趣向で、会場に向かうときは「緊張したらお母さんの一発ギャグ思い出して」と気持ちがふっと軽くなるせりふが、帰り道は「ほんと、よくがんばったね」に。あれ、おかしいな、目から汗が…。明治の担当者に聞きました。
「体調管理で受験生を応援する」という明治プロビオヨーグルトR-1の屋外広告で、共通テストが実施された1月15日、16日に行き帰りで8種類、計16種類が掲出されました。
同社によると、見る角度によって全く異なるデザインへ切り替わるインクジェット印刷で、TRICKPRINT シリーズのベローズプリントという技術を採用しています。例えば、行きは「母のパワー全部送ります!」で背中を押し、帰りは「お風呂沸いているから入りや」と関西のおかん口調で優しく労ってくれます。テストの出来が今一つだったら、こんなん泣いてまうやろ…担当者に聞きました。
■担当者「あふれる愛情をメッセージに」
ーメッセージが温かいです
「親から子へ応援メッセージを送るがテーマです。家庭外の屋外広告(Out of Home 広告、以降OOH)の企画会議の中でこのアイデアが出てきました。受験に挑むわが子を常に思う姿勢や親御さんの包みこむような愛情を届けることで、受験生を応援したいと考えました」
ー行きと帰りで見えてくる言葉が違います
「親御さんのあふれる愛情を表現したメッセージを少しでも多くの受験生に届けることができればと、都内で最も受験者数の多い東大の会場に着目し、受験生が会場へ向かう・帰路に就くという中で、行きは応援・帰りは労いの言葉を伝えたい、と見えるメッセージが変わる仕掛けを施しました。公式 Twitter(悩める受験生の親の会 @oyanokai_meiji)のキャンペーンで「受験当日にわが子にかけてあげたい言葉」を募集し、ご応募いただいた方の中から選出しました」
ー「気楽にやったらええけん」など方言混じりの言葉も
「今回の OOH 広告は東大前駅のみの掲出になりますが、メッセージは全国から集まっており、その中から数点をピックアップして掲出しました」
ーSNSで広告が話題になったことについて
「受験生の目にこれらの言葉に留まる中で、陰から支える親御さんの想いを感じてもらえればうれしいです。昨年実施した受験生向けアンケートでは受験生と親御さんの間には、「ねじれ現象」が生じていることに気づきました。親御さんが良かれと思ったことが受験生にとってはプレッシャーやストレスになってしまうというものでした。公式 Twitterでは親御さんから直接相談を受け付けたり、受験生の親御さんを対象としたアンケート結果の新聞広告を拡散したり、悩みや役立つ情報を共有できるコミュニティを作りました。親御さんの溢れる愛=伝えきれない想いを少しでも多く届けられたならうれしいです」
Twitterユーザーの加藤誠也 ビズパ/広告(@adbrex_)さんが「お世辞抜きでこの広告は凄い。このアイデア思いついた人すげえな。」と感嘆し画像を添えたツイートは、約17万のいいねがつくなど拡散。「泣ける。母…母の思いよ…」「ほんとこういうアイデア好き。」「商品を売るためだけが広告じゃない。受験生じゃないけど元気出る気がする。」など多くのユーザーがコメントしています。
頑張っている人がいて、それ以上に見守っている人がいる。一人でも多くの受験生に朗報が届きますように。
(まいどなニュース・竹内 章)