こいつぁ~大物だ!…とびっきり元気な子猫を迎えたら、家に来て数分で我が物顔 でも先住猫には遠慮しちゃう繊細な子
スズちゃん(メス・3歳)は、北海道の浦幌町というところで野良の母猫が産んだ子だった。その町に野良猫に餌を与える人がいて、近くに住んでいた個人で猫の保護活動をしている人が子猫を見つけては譲渡して、また見つけては譲渡してということを繰り返していたという。
スズちゃんを保護した時は、母猫と兄弟猫も保護。母猫は不妊手術をして保護主が飼い、スズちゃんと兄弟は全員、保護団体「つなぐねこ」に託した。
■「うちの子になる?」
北海道に住む氏家(うじけ)さんは、2018年7月にテオちゃん(3歳6カ月・メス)という猫を迎えて飼っていた。「猫は1匹でも寂しくない」とは聞いていたが、やはり長時間テオちゃんを1匹で留守番させるのは不安だった。寂しくないようにもう1匹欲しいと思っていたという。たまたま「つなぐねこ」 のブログを見ていたので、2018年12月、譲渡会に参加してスズちゃんを譲り受けた。
「スズは、5匹いた生後2カ月程の兄弟達と一緒に、丸いサークルの中にいました。どの子も本当に可愛くて、どの子もみんないい子でしたが、みんなが遊び疲れてうとうとしている時に、スズだけがヤンチャに暴れ回っていたんです。めっちゃ元気で、なんだかその様子がとてもおもしろかったので、『うちの子になる?』って聞いたら、にゃー!と元気よく鳴きました」
■トライアル初日から…
その日のうちに譲渡を希望して、先住猫との相性を見るトライアルがスタートした。トライアル初日には緊張する様子もなく、家に来て数分で我が物顔でうんちをした。
「むしろ先住のテオの方が緊張していたと思います。こいつぁ~大物だ!となり、それからもずっとヤンチャに育っています」
ただ、スズちゃんは意外に気が小さくて繊細。氏家さんに甘えたくてもテオちゃんに遠慮してしまう。
「私がスズを可愛がる時、スズは必ずテオの方を見て気にします。『いいんだよー』と言っても、遠慮気味です。根っこはものすごく甘え坊だと思います」
■2匹目を迎えて良かった
スズちゃんはとても食いしん坊。氏家さんがキッチンに行くたびに、ごはんを催促する。食べることが一番の楽しみのようだ。
唯一心配なのがウールサッキングという異食症。部屋にある布製品を食べてしまう。スーツやブランケット、コート、あらゆる布製品を食べてしまった。クローゼットに入れたり、届かないようにしたり、布製品は部屋に置かないようにしているが、ちょっとした隙にやってしまうという。
「洗濯物を数秒置いている間も気が抜けません。いまだに戦いが続いています。食べられてしまったものは再利用できないほどボロボロになるので金銭的にも痛いのですが、何よりスズの身体が心配です」
獣医師に診せたり、ネットで調べたりしたが、ウールサッキングは一生治らないようで、気をつけていくしかないという。
「心配ですが、手間のかかる子ほど可愛いと言いますか。スズのヤンチャっぶりなに振り回されています。おかげでいつまでたっても可愛い末っ子気質で、おばぁちゃんになっても子猫のままのような気がします。そのままでいてほしい気もします」
テオちゃんとスズちゃんは時々ケンカもするが仲良し。氏家さんは、「2匹目を迎えてほんとによかった」と思っている。
「2匹の性格は正反対、毎日飽きずに楽しませてもらっています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)