社会福祉起業家の卵をサポートする”出会い系”カフェ 対面でこそ得られる「気づき」が満載、大阪
■五感を使い、人生が変わる出会いを堀江のカフェで
新しいコトに挑戦する若者に出会える新感覚のカフェがこの23日、大阪市西区にオープンした。その名も「気づきのあるカフェ College Horie」。非対面、非接触が主流になりつつある中、対面でこそ得られる「気づき」が詰まった場所を目指している。運営するのは「堀江の会」会長でもある梅田りささん。あなたも五感をフルに使い、人生が変わる出会いを求めてみませんか。
場所は大阪のおしゃれスポットとして知られる堀江エリアの中心に位置する「Imano Osaka Shinsaibashi Hostel」の1階。店内は明るく洗練されていて、中央部分に立派な本棚が置かれ、気づきを得る場所として機能するようにデザインされている。昼間はカフェ、夜は軽くお酒も飲めるようになっている。
主役は本棚。そこには本の代わりに、写真と自分の思いを具現化した若者たちのストーリーが添えられたパネルが置かれ、手に取ることができる。そのほとんどが20代でいわば、彼らは起業家の卵たちだ。
ユニークなのはここから。訪れた人は彼らがいま取り組んでいること、これから取り組もうとしていることを知り、その志に共感すると、カレッジ堀江のスタッフを通じて彼らとコンタクトを取ることができる。例えば「服の再利用、古着」でピンとくれば、その後は実際にカフェで会って話ができる機会を購入できるという仕組みだ。
このカフェを運営し、一般社団法人OSAKAあかるクラブ理事で学生部委員長も務める梅田りささんは「10年、20年先の将来について真剣に考えている若者たちがたくさんいてるんですよ。彼らはいろんな思いを持って頑張っているけれど、応援してくれる人も必要だし、ここが人と人、世代間をつなぐ場所となり、彼らの活躍できる場にもなれば」と、オープンに至った経緯を語ってくれた。
本のない本棚は「気づきライブラリー」と呼ばれ、ホステルの利用者はもちろん、カフェに訪れた人なら誰でも手に取ることができるが、梅田さんがこのコンセプトに行きつくまでには数多くの学生起業家たちとの出会いがあった。熱い思いを持った学生起業家たちは主にソーシャルビジネスを行っており、社会課題の解決のため、日々奔走している。
梅田さんは「学生たちがこんなに社会のことを考えているのに、私たち大人が知らないなんて恥ずかしいでしょ」と話しながらパネルを一つひとつ紹介してくれた。
「目指しているのは映えるカフェというより、おもしろい人に会えるカフェになれば、と思います。ここがアーティストと知り合いになるきっかけになるかもしれません。若者の街、堀江だからできることがあると思うですよ。コロナが収まれば、インバウンドもかえってきて、幅広い交流が広がるはずです」
現在、このパネルに載っている若い社会福祉起業家は9人。そのほとんどが学生で、取る組んでいることはバラエティー豊か。中には大学の敷地内でラーメン店を経営したり、数年間に及ぶ海外生活の中で孤児を救う活動を行い、国連と直接孤児を引き取る交渉までした現役の大学生もいる。梅田さんは「交流の場を広げ、パネルをどんどん増やして行ければ。両者の橋渡しをして世代間のギャップも埋めたいです」と今後の抱負を口にした。
人生は出会いがすべて、という人もいる。実際、福祉関係の仕事をしている30代の女性に尋ねてみると「彼らの意気込みがパネルから静かに伝わり、その思いに直接触れてみたくなった」と話していた。
■対面でこそ得られる「気づき」が満載
コロナ禍となり、非接触が幅をきかせ、それも当然と言えば当然だが、直接人と会う良さもあらためて見直されている。オンラインの画面越しからは伝わりきらない温度感、空気感、声の響きがきっとあなたを駆り立て勇気を与えてくれるかもしれない。
新感覚のライブラリーカフェ。コーヒー片手に自分も何かに挑戦したいと思い立ち、また彼らを何らかの形で応援したい気持ちになったら、すぐに彼らとアポを取ってみてはいかがだろうか。
◇「気づきのあるカフェ College Horie」
〒550-0014 大阪市西区北堀江1-13-28
(四ツ橋線/長堀鶴見緑地線 四ツ橋駅下車 6番出口より徒歩約3分)
営業時間 11:00~21:00
(まいどなニュース特約・山本 智行)