なぜラーメンにソフトクリームを入れた?店長を直撃 SNSで話題、インパクト大の一杯を実食したら

 2022年に入って発売されたインパクト大のラーメンが日本のみならず、海外のメディア、SNSを賑わせているのをご存じでしょうか。赤いスープの辛味噌ラーメンにソフトクリームが浮かぶ衝撃の逸品。大阪・心斎橋筋商店街にある「中華そば・焼きめし フラン軒」(大阪市中央区)が提供している期間限定メニューです。なぜ、そんなことになったのでしょうか?確かめてきました。

■ソフトクリームの入ったラーメン、いや本当に美味しいんです

 さすがにSNSで話題になっているだけのことはあります。店先の看板に反応して写真などを撮っているカップルの姿がちらほら。そんな中、早速お店に突撃です。こちら「フラン軒」は通し営業の形態を取っているのでランチタイムから外れた時間帯でも食べに行けるのがありがたいですね。

 まずは券売機で食券を購入しますが、この日は“狙い撃ち”のアレ1択です。店内は鰻の寝床のように奥に長~くなっており、元気の良いスタッフさんが分かりやすく案内してくれました。

 注文したメニューはもちろん、SNSをざわつかせている「甘辛miso」(850円)です。しばし待ってからの”ご対麺”と相成りました。運ばれてくる前は口に合わなかったらどうしようと少々不安も。しかし、周りの人はおいしそうにすすっており、期待感が高まっていたのは言うまでもありません。

 「キター!」。見た瞬間、どこぞの俳優のように、思わず声が出そうになったほど。ほんまにソフトクリーム、のってますやん。しかも、ジャガイモのエスプーマやらで“ソフトクリーム風”に見せたモノではなく正真正銘のソフトクリームです。(注)ちなみにハーフカットされているソフトクリームでした。

 店員さんには「ソフトクリームをよく混ぜてお召し上がりください」と案内されましたが、ラーメン通としては、まずは溶かしてないスープからいただきます。

 「おおぉ」。なかなか本格的な唐辛子の辛さが先行する味噌スープです。そんでもってソフトクリームも溶かす前に、そのまま味見をしてみたら…。当然ですが、ほんまに甘いバニラ&チョコのソフトクリームでした。

 続いて、これをスープに溶かしてみると、あら不思議!なんとも言えない甘みをまとった旨辛な味噌スープに変身しました。麺は京都の老舗製麺所である「麺屋 棣鄂(ていがく)」の中細でプリッとした麺を採用してあり、このスープとの相性もええ感じです。

 ソフトクリームのコーンの部分も、お麩みたいにトロ~ンとなりまして、予想以上に違和感なく食べられました。気がつけば、あれよあれよと言う間に”全汁完食”です。で、食べ終えた感想はというと、キワモン狙いのメニューと言うより「想像以上に普通に美味しかった」と思います。SNSでも好評なのも分かりました。そして何より「紙エプロン、ご用意しましょうか?」と即座に声掛けしてくれるなど、スタッフさんのサービスが良く、店内がとても綺麗だったのが印象的でした。

 また、ソフトクリームの下には豚肉が敷かれていたのですが、これはおそらくお客さまが溶かす前にソフトクリームが溶けないように、と考えてのこと。細やかな心遣いも感じました。

■「なぜ、ラーメンにソフトクリーム?」店長に聞きました

 最後に「なぜ、ラーメンにソフトクリームをのっけたのか?」と店長に聞くと、こんな答えが返って来ました。

 「実は1年前の甘辛misoメニューには“綿アメ”をトッピングに使用していました。さて、今年はどうしようとなったとき、辛めの味噌に合い、味をマイルドにする食材として考え抜いた結果、ソフトクリームにたどり着きました」

 この「フラン軒」は大阪のラーメン界に新風を運ぶ「麺's room神虎」や「鶏soba座銀」などのネクストブランド店。このソフトクリームを載せた新感覚のラーメンは日本だけでなくスペインをはじめ、韓国、中国でも取り上げられたほどです。3月までの期間限定メニューだそうで、興味ある人はぜひ、足を運んでみてください。決してキワモノではありません。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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