「この子たちをお願いします」と母猫が連れてきた子猫を保護 怖がりの柴犬とのんびり暮らすお家へ

■「この子たちをお願いします」

風(ふう)ちゃん(1歳・メス)、爽(そう)ちゃん(1歳・オス)は兄妹。野良猫が産んだ子猫だった。

2020年6月、埼玉県のとある地域に、いつものように餌やりボランティアが車で行くと、1匹の野良猫が、子猫たちを車にせっせと運んできた。まるで、「この子たちをお願いします」と言っているようだった。後にボランティアに聞いた話では、「長年ボランティアをしているが、そんなことは初めてだった」という。子猫たちは全部で5匹いた。

もともとTNRを考えていた猫だったので、そのまま全員、保護団体ねこエイドが保護したそうだ。

■1匹だけにするか、2匹一緒に迎えるか

埼玉県に住むマイティさんは、ペットショップで売れ残っていた柴犬のとーたくんを飼ったのだが、可愛くて仕方なかった。猫も飼ってみたらさぞかし可愛いのだろうと思い、保護猫を探した。

「近隣の保護猫を探そうと思ってねこエイドさんのページを見ると、最初に風が目に留まり、一目惚れしました。迎えるのは1匹だけにしようと思っていたのですが、ねこエイドさんに、『できれば2匹一緒に迎えてほしい。猫が寂しくないように』と言われて、かなり悩みました」

保護主や猫を多頭飼いしている友人に相談して、お見合いに行く頃には2匹一緒に迎える覚悟ができていたという。2匹目は、5匹兄妹のうち、風ちゃんとは性別も毛色も違う爽くんを選んだ。

■元気をもらえる柴吸いと猫吸い

2020年8月、ねこエイドのボランティアが家に連れてきてくれた。初めは戸惑っていたが、すぐに2匹一緒にトイレでオシッコをした。その姿がとても可愛かったのを今でも鮮明に覚えているという。

先住犬のとーたくん(当時3歳)は、なぜかとても怖がりなので、マイティさんは猫ととーたくんがうまくやっていけるかどうか、とても気になった。少しずつ慎重に距離を縮めていったこともあるが、怖がりのとーたくんが猫と仲良くなれたのは、爽ちゃんのおかげだったという。

「爽はのほほんとしていて、とーたが襲いかかるフリをしても、寝転がったまま平気な顔をしてお腹を出すんです。そんな調子なので、とーたが『これは敵ではない』、『スゴんでも意味がない』と思ったようです」

一方、爽くんと風ちゃんは兄妹だけあってとても仲が良く、寝る時はいつもくっついている。「最初は迷いましたが、2匹一緒に迎えて良かったなぁとつくづく思います」

2匹とも温厚な性格で、かなり甘えん坊。いつも家族のそばや膝の上にいて、よくゴロゴロ喉を鳴らしている。爽くんはわんぱく坊主だけどかまってちゃんで、ややこしいところが可愛い。風ちゃんは仕草が可愛く、ついつい甘やかしてしまうという。

マイティさんは、仕事で疲れていても、柴吸いと猫吸いで回復するそうだ。

「とーただけは、今までひとりっこで甘やかされてきたので不服そうにしていることがありますが、みんなそれぞれ可愛くて、楽しい毎日です」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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