親猫に見捨てられ鳴いていた子猫を保護 秋田犬にスリスリ、兄弟のように仲良く「犬っぽい」しぐさに
■秋田犬ににじり寄る子猫
雷蔵くん(4歳・オス)は、2017年6月下旬、岡山県に住む笠さん宅の庭に突然現れた。まだ生後2ヶ月くらいの小さな子猫だった。
「数日前から子猫の鳴き声は聞こえていたのですが、どこにいるのか分からなかったんです。庭に放置していた古い机があったのですが、その下で鳴いていたところを見つけました」
親猫がいたらいけないと思い、すぐには保護せず様子を見守っていた。ところが、雷蔵くんは笠さんが飼っている秋田犬の風雲丸くんにぐいぐい近づいてきた。
玄関先に繋いでいた風雲丸くんに尻尾を膨らませながら近づく雷蔵くん。臆せず近づくと自分の30倍くらい大きな風雲丸くんにちょっかいを出した。
■「何、これ?」
笠さんが固唾を飲んで見守っていると、風雲丸くんは歯牙にもかけず、不思議そうに「何、これ?」と一瞥しただけで相手にしなかったという。
庭を出ると、家の前には交通量の多い幹線道路が走っている。「放っておいたら危ない」と思った笠さんは、翌日雷蔵くんを保護した。
「風雲丸と同じ虎毛のハチワレ猫で、びっくりしたと同時に、これはもううちの子にしないといけないと思いました」
初日こそ威嚇気味だったが、翌日から雷蔵くんは風雲丸くんにくっついて一緒に寝ていた。まるで兄と弟のようだった。風雲丸くんは何を思ったか、雷蔵くんの背中を舐めてあげたので、2、3日雷蔵くんの背中はヨダレでベタベタしていた。雷蔵くんは風雲丸くんのお腹でフミフミをして、おっぱいを探しているようだった。
「僕にとってというか、風雲丸に本当に息子ができたようで、オスですが、母性が強くなったように思いました」
■風雲丸くんとのツーショット写真でバズる
雷蔵くんは野良猫だったが、人間のことは全く警戒せず、誰かが遊びに来るとでもすぐに膝の上に乗ってくる。そのため、みんなに「犬っぽい」と言われているそうだ。
友人が撮影してくれた風雲丸くんとのツーショット写真をTwitterに投稿したのがきっかけで、あっという間にフォロワーが増え、「天才!志村どうぶつ園」にも出演。写真集も出て、笠さんも一躍有名に。まさにラッキーキャットなんだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)