副業の年収「10万円未満」が6割…「少しでも収入が増えた」「思ったより稼げない」明暗めぐり多様な声
副業への関心が高まっていますが、みなさんどれくらい稼いでいるものなのでしょうか。様々な副業をしている人316名に聞いたところ、副業の年収は約6割の人が「10万円以下」と回答。副業の満足度に対しては、全体の約半数が「不満」もしくは「どちらかというと不満」と回答していたそうです。
「株式会社マーケティングフルサポート」が2022年1月に行った実態調査です。対象者の副業を始めた時期は、2018年以前が30.4%に対して、2020年が18.4%、2021年が25.0%、2022年が2.8%で、合算すると46.2%の人がコロナ禍以降に副業を始めているといいます。
「副業を考えるようになったきっかけはなんですか」と聞いたところ、以下のような回答が寄せられました。
・収入を増やしたいため:(266)
・趣味や得意なことを収入にしたいと思ったから:(74)
・本業の収入が減少したから:(69)
・副業で自分がやりたいことをやるため:(47)
・リモートワークで時間ができたから:(26)
・本業の仕事内容が好きではないから:(12)
・会社が副業を解禁しているから:(7)
・副業で社会貢献したいため:(5)
※()内の数字は回答数
また、「コロナにより、本業の仕事に影響はありましたか」と聞いたところ、以下のような回答が寄せられたそうです。
・変わらない:(154)
・本業の収入が減った:(95)
・本業の時間が減った:(84)
・本業のオンラインでの仕事が増えた:(43)
・本業の移動時間が減った:(35)
・本業の働く場所が変わった:(24)
・本業の時間が増えた:(6)
・本業の収入が増えた:(6)
・本業のオンラインでの仕事が減った:(2)
・本業の移動時間が増えた:(1)
※()内の数字は回答数
「副業でしている仕事内容は、次のうちどちらが多いですか」と聞いたところ、「単発の仕事」が73.7%で、「継続的な仕事」は26.3%でした。また、「副業の仕事を獲得する手段はなんですか」との問いに対しては、「ウェブサイト、SNS」が174人と最も多く、次いで「スマホアプリ」の130人、「口コミ」の80人、「マッチングサイトなどのウェブサイト」が70人で、「単発の仕事」を「インターネット」で獲得している、「ギグワーカー(インターネットを通じて、単発で仕事を請け負う労働者的な働き方)」的な働き方をしている人が68.4%でした。
さらに、「どんな分野での副業をしていますか」と聞いたところ、以下のような回答が寄せられたそうです。
・懸賞、アンケートモニター、ポイントサイトなど:(212)
・ブロガー、ライターなど:(86)
・株式投資、FX、仮想通貨など金融系:(76)
・アフィリエイト、せどり、ドロップシッピングなど物販系:(41)
・店舗でのアルバイトなど、時給で働く:(21)
・営業、経理、広報などのオフィスワーク系:(17)
・YouTuberなど広告収入:(9)
・お茶、お花など趣味や、語学などの先生:(8)
・農業、漁業、引越しスタッフ、警備員など:(7)
・コーチング、カウンセリング、コンサルティングなど:(6)
・スポーツのインストラクター、コーチなど:(1)
・その他:(12)
※()内の数字は回答数
「実際の副業の年収を教えてください」と伺ったところ、「10万円以下」が60.1%で最も多く、次いで、「~100万円」の36.4%、「~300万円」の2.5%と続きました。
「副業に満足していますか」と聞いたところ、「不満」(7.0%)、「どちらかというと不満」(40.2%)と回答。具体的な理由としては「報酬が低い」「思ったほど稼げない」などが挙げられています。
また、「満足している」(10.1%)、「どちらかというと満足している」(42.7%)と回答した人からは、「小遣い稼ぎができている」「少しでも収入が増えた」と副業を前向きに評価する意見が。さらに、「隙間時間の有効活用ができている」「好きなことで収入が得られる」「スキルが生かせる」などのコメントも寄せられたそうです。
「あなたにとって、理想の働き方は、次のうちのどれに近いですか」と聞いたところ、「現在の本業を維持しながら副業を続ける」(59.8%)が最も多く、「転職などでいずれは本業を変えながら副業を続ける」(11.4%)とした人も合わせると、7割以上の人が「副業継続」を理想の働き方としているといいます。
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調査を行った同社では、「コロナ禍の影響で本業での収入減、労働時間減を理由に副業をスタートする人がさらに増えた1年となったが、副業での働き方は単発かつ低単価の仕事になりがちという実態も見えてきた」と説明。「これから副業を考える人たちには、自分の好きなことや得意なことを活かした『教える系』や、経験・スキルをシェアする新しい働き方を選ぶことで、趣味として、また隙間時間の有効活用として長く継続することも可能であり、ひいては起業や引退後の収入源ともなり得る」と述べています。